プロローグ
「ざまぁなんて負け犬の娯楽なのよ!」
行きつけの喫茶店で私は宣言した。
「ちょっと!?声大きすぎ!」
それを親友の友加里は注意した。
私は伊吹明。花の女子高生で
ざまぁを嫌っている。
「そもそもさあ、追放系にしろ悪役令嬢物にしろぶっちゃけざまぁなんて要らないのよ。とってつけた様なざまぁなんかしてもうね、アホかとバカかと。」
「あのなあ、追放系にしても追い出された主人公の秘められた才能が覚醒とかあるけどそれなら秘められた才能とやらが覚醒するまでは何の取り柄も無い無能って事でクビになって当然じゃないのよ!」
「追放されたけど実は最強とか仲間がそれに気付かないとか実力を隠してたとかほざいてるけどだったらちゃんと仲間にプレゼンしなさいよ!実力を隠してたんならそりゃ隠すのが悪いわ!!」
「てか追放した連中なんかさっさとほっときゃいいのにわざわざ落ちぶれさせたりしてるし、報いを与えるにしとも必要以上にやりすぎだしそういう所が男らしさに欠けて女々しいのよ。」
「まあまあ落ちつきなよ」
友加里はため息混じりに呟いた。
「つーかあんたはざまぁごときに何マジになっとんねん」
「だってさあ広告とかで追放系とか悪役令嬢とかの広告がうざいのなんの」
「そしたらだいたいざまぁが多すぎんのよ。どんだけ鬱憤貯まってんだっつの」
「追放系もそうだけど悪役令嬢物もマジでうぜーわ。」
「それはまあしょうがないんじゃあないの。悪役令嬢物や婚約破棄物なんてリアルだと恋愛に参加できない喪女共がせめて二次元の中では恋愛の気分を味わおうと生み出された物なんだし作り手もそこんとこ適当なんでしょ。」
「友加里、それ以上いけない」
友加里の発言で周囲の女性客から突き刺さる様な視線を集めた。
「主人公が悪役令嬢に成り変わったりしたらヒロインが悪女になったりするしどんだけざまぁがしたいのよ。」
「YouTubeとかでやたらスカッと系動画とかがあるけどああいうのもマジで不快になるわ。」
「ざまぁなんて楽しんでるのはいじめられっ子とか社畜とか陰キャラといった惨めな人生送ってる負け犬共ばっかでしょーが!!」
(ざまぁなんかにムキになってる明も大概痛いわね)
「リアルだと辛酸を舐めてる日々を送ってるからざまぁなんか見てリアルでのダメージを少しでも癒してんでしょ。」
「てかはっきり言わせてもらうけど本当に健全な人間はざまぁなどという物にははまらないわよ」
「ちょっとあんた言い過ぎよ!?」
流石に言い過ぎたのか友加里が止めた。
「一旦出ようか、周りの視線が凄いわ。」
「そうね」
周りの視線が凄いのでとりあえず店を出る事にした。
しかし私は気付かなかった。
同じ学校の生徒が私達の話を聞いてる事に。
グサッ
「え…」
私は後ろから刺された。
後ろを確認すると、同じ学校の制服を着たいかにも
冴えない風貌の女の子が私を刺した。
「私の好きな物を馬鹿にしないで…!」
彼女は私に憎悪を込めた目で見ていた。
私の意識はそこで途絶えた。




