闇み上がり編05
「ドライブデートの場所が教会だなんて、愛を誓いに行ったみたいだわ。あなたに愛を伝えたのは、私じゃないけど。」
テイラーは少し不機嫌であった。
「彼女と会ったのは今日で2回目だし、あの子にそんな感情無いよ。私が伝えたい相手は君さ。」
「伝えたいって何を?」
テイラーはニヤニヤして言った。
ゼリオは照れながら言う。
「愛をだよ。」
テイラーは運転しているゼリオのほっぺに手を添えるのであった。
それから数十分後、テイラーはスマホで悪魔の聖書を調べていた。
「ギガスの写本って言うらしいわ。悪魔の伝承って言うより、悪魔が描いた神の伝承って感じ。」
「悪魔が神の伝承を書いた??」
「ええ、どうやら僧侶が堕天使ルシファーと契約して書いたみたい。」
「地獄の王サタンが書いた聖書…でもおかしくない?自分が嫌がる神のお言葉を、自分で書くなんて。」
「そうなの。それに悪魔は本来、聖書に触れられないはず。」
「このギガスの写本を書いたのは、天使だった頃のルシファーだったってことかな。」
「それは無いと思う。その頃にはルシファーはサタンとして伝わっていたはずだし、僧侶は感謝の印として悪魔の絵を描いているわ。」
ゼリオに写真を見せた。
「悪魔の姿……想像と違ったよ。」
「顔色悪いわよね。」
ゼリオは疑問を投げかけた。
「神の聖書と悪魔の聖書が同じってことは、聖書は神のお言葉でも、悪魔の言葉でもあるってことなのかな?」
テイラーが少し考え込み、発言した。
「ルシファーは神の愛を知っていた。彼は神とは違う愛だったから、悪魔となった…
ルシファーの愛は、神の愛を否定している訳では無いから聖書を書けたのよ!」
「他の悪魔も聖書を触れられるってこと?」
「どうなんだろ…悪魔には、それぞれに愛の形があるとしたら、神の愛を否定している悪魔は、聖書に触れられないってことじゃないかな?」
「神の愛を否定せず、自分の愛の方が救いになると考える悪魔…」
ゼリオは恐ろしげな顔をする。
「それが第一階級の悪魔なのかも。」
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