番外編01 団子3兄弟
ジョナサン・ウッドは1人で育った。唯一、母親と言う存在はいたのだが、男癖や、酒癖が悪く、薬付けであったため、母とは呼んではいなかった。
小学生の彼の楽しみは、マリオカート。
ニンテンドー64をスクラップ場で見つけ、
ソフトは親子を腫れ物のように扱う、母の種子違いの弟兼大家に、中古で買ってもらっていた。
「お宝ないかな。」
ジョナサンがスクラップ場を探索していた時、たまにみかけたことのある同い年くらいの男の子が目に入った。
『あんなもん拾ってなにすんだ?』
疑問を抱き、彼を追うことに。
『なんだよ、あのガラクタ、アート作品?』
彼は何かを作っている。
観察していると、ジョナサンが触れていたスクラップの一部が崩れてしまった。
「誰だ!」
『やべ!』
気づかれたジョナサンはスクラップの山を的確かつ、最小限に逃げていった。
「はぁはぁはぁ…危なかった…」
作っていた物がなんなのか、気になったジョナサンは別の日に見に行ったのだった。
『誰もいないな。さて、何を作ってたんだ?』
ジョナサンが目にしたのはレイジングカート風スクラップ。
「おい!」
後ろから声がし、ジョナサンはビク!っとする。恐る恐る振り向くと、そこにはあの男の子が立っていた。振り向いた顔を元に戻し、『どうしよう…』と考えていると話かけられた。
「俺のカートに乗れ」
「!?」
「お前、位置取り上手いから俺のカートに乗らせてやる。」
「これスクラップじゃん…」
「今はな。俺はネビル・チェン」
「君…たしか…同じ学校だよな?」
これがジョナサンとネビルの出会いであった。
ネイサン・バケットは厳格な家庭に生まれた。
塾や音楽を習っていたが、彼が好きだったのはストリートビュー。街の落書きを見るのが好きだった。
小学校には色々な人がいたが、
ネイサンは彼らの多くを、哀れに思っていた。
「親ガチャ外れて可哀想だ。」
そんなある日、街の落書きを真似して、自分のサインをアレンジした絵を描いた。
「なかなかかっこいいじゃないか。」
すごく楽しい時間に感じられたが、その絵によって、ネイサンはひどく怒られる羽目になる。
「街の落書きは、負け犬の遠吠えなんだ。お前は負け犬か?違うだろ?」
そう言って父は絵を破いた。
その絵に思い入れはなかったが、少し悲しさを覚えたのだった。
「こんな勉強するなら学校に行く必要ないね。」
授業を退屈と思っていた時、遅刻して来た2人がいた。
いつもはそんなやつら目にも入れないが、何故か彼らの笑顔溢れる姿に、ほのかな眩しさを感じてしまった。
ある日、いつものストリートビューで散歩をしていると、ある絵が目に入る。
【umbrella girl】
その絵を見た時、自分は女の子と一緒だと思えた。
『自分も手を伸ばせば、外は晴れているのかな』
ネイサンは、2人に話かけることにした。これが、ジョナサン、ネビル、ネイサンの出会いであった。
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umbrella girlはルイジアナ州 ニューオーリンズにある、バンクシーの絵です。
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