刑務所編06
「やぁ、やっぱ再会したね、ゼリオさん」
ゼリオは面会室に居た。
「ジュリマック…?」
「覚えてくれてたか!嬉しいよ!
君の身元について調べているんだけど、どうにも何も分からなくてね…行き詰まっているんだ。なにか思い出したことはないかな?」
「残念だけど、あの時から状況はかわらないよ」
「そうかぁ、残念だ…」
「そうだ!君に聞きたいことがあるんだ」
手渡された写真には、あの棺が写っていた。
「君、ずっとこの中に居たんじゃないか?」
こちらを凝視するジュリマックは何か探っているようだった。
「どう言う意味だ?」
「そのままの意味さ」
「んな、わけがないだろ」
余計な討論は危険だと判断した。
「だよな〜ジョークさ!
けど、どの監視カメラを確認しても君が映っていない。
君がこの中に元々居たとしか考えられないんだ。それに…」
再びゼリオを凝視しながら
「この開かずの棺は名前の通り、何しても壊れなかった。しかし、君はそれをやってのけた。魔法を使ったんじゃないのかな?」
更に探りを入れてくる。
「ジョークがしつこいよ、ジュリマック。マジックではなく、トリックだ。」
平静を装い、質問に答えた。
苦笑いをしながら
「そのトリックは教えてくれない…よな。わかった。今日はこれで帰るよ。」
椅子から立つと、少し立ち止まり、他の誰にも聞こえないようにゼリオの耳元で囁いた。
「俺は君の敵じゃない、助けを求めてくれれば、助けてやる。俺は君を信じるよ。」
微小な動揺を漏らしたものの、ジュリマックは、彼の顔を見ることも無く、その場を後にした。
「ゼリー、取り調べだったんだってな、やばかったか??」
ボマーがニヤニヤしながら話かけて来た。
「余裕さ、記憶喪失だから喋れることはYESか NOだけだからね」
「ハハハ、それは楽でいいな!それよりいい女はいたか!?」
呆れた顔をしながら
「居たのはドデカイ大男だけだよ、ジュリマックって言うな」
その場にいた全員が凍りつく。
「ん?どうしたんだ?」
「あ、あのジュリマックか?」
「どのジュリマックかは知らないが、確か…ジュリー・マクラーレンって言ったかな?」
ボマーが哀れみの顔で
「とんでもないやつに、目をつけられたな…」
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