ノスタルジー編03
ゼリオは、政治や情勢とは別の相手を知ることに励んだ。
知って行くとユーサー王の教えを理解した。
今の言葉で【ローマに入ればローマに従え】。
それからゼリオは彼らの文化を理解した。
すると、諸国は次第に心を開き、対話ができるようになって行った。
そんなある日、アーロン王からお呼びが入る。
「他国の沈黙を破いたそうだな。」
「はい、一筋の光が見えました。」
「どれくらいの時間をかけたと思うている?」
「すみません、信頼を得るためには時間がかかりました。」
「そんな時間、力であればすぐ解決できたものを。」
アーロンは不機嫌そうな顔をしていた。
「王よ!それよりご調子はいかがでしょうか。」
不機嫌になる姿に、慌て話題を変えるのであった。
「変わりない。」
「その…まだ母の側に?」
「ああ、悪いか?」
「いえ、その…前の父であれば、他の女性に…」
「そんなものいらぬ。」
「!?」
この時からアーロンの変化に気づき始めた。
それからゼリオは国交を結ぶことに励んだ。
励みに励み、いつしか幾十年も経っていた。
「ゼリオ様、なぜそんなになるまで、国交を結ぼうとするのです!?」
※刑務所編20
ゼンフィスはゼリオの直属の騎士長になっていた。
一番近くでゼリオを見てきたゼンフィスは疲弊しきったゼリオを心配しての言葉であった。
そして、この頃にはアーロンの変化が顕著になっていた。
「人の欲は穢ればかりだ」
「王よ、穢れとは…?」
「ゼリオよ、お前は清い。尊いぞ。」
ゼリオは背筋が寒くなるのを感じた。
そして、アーロンは近寄り、ゼリオの手を握った。
「少しは休め、ボロボロではないか。」
アーロンと触れ合ったのは、初めてと言っていいくらい。そんなアーロンの力は何もないのであった。
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