不協和音編06
「ジュリー、あの後から彼と連絡取れないんだけど、何か知っていることない?」
「すまないテイラー、俺も連絡取れない状態なんだ。」
「私が良く無いことを言ってしまったから…」
「君のせいじゃない。たしかにここ最近のゼリオは変だった。なにかに捉われているような感じがしたよ。」
「私、会いに行ってくる。」
「いや待て、様子を見た方がいい。やつは際立って力を使うような真似はしないはずだ。クールタイムを与えた方がいい。
周辺の警察には、何かあったら逐一連絡来るようにしてあるから安心してくれ。」
「あなたってちゃんと公務員してるよね。」
「俺ほど公務作業してる人間はいないぞ」
テイラーはジュリマックにお礼を言って電話を切った。そしてそれから2日後の夜、ゼリオからメッセージが入る。
「連絡遅くなってすまない。体調を崩してしまってね。あの事、謝らないで欲しい。」
テイラーは居ても立っても居られず、車を走らせた。
トントン
ガチャ
ゼリオの顔を見たテイラーは、心を痛めた。
「どうしちゃったのゼリオ。」
そしてゼリオ越しに見た部屋に驚愕した。
ベットシーツは散乱しており、何かを書いた紙がテーブルを覆っていた。部屋は荒れ、異臭も漂ってくる。
「これは……
「どうしちゃったのよ!」
テイラーは涙を流し、ゼリオに抱きついた。
テイラーの涙にゼリオも涙を流し、彼女を抱きしめた。
「今が僕なんだ。やっと僕らしく生きれるようになったんだ。なのにっ」
その様子を隣の住民3人が、団子三兄弟のように、ドアの隙間から覗いていた。
「あれ、なにがあったんだ。」
「薬に手を出して、彼女から心配されてるんじゃないか?」
「ありゃ、オーバードーズだな。」
ゼリオと目が合う。
「「「やべ!」」」
バタン
「汚くて申し訳ないけど、中に入ろう。」
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