刑務所編05
この刑務所には3つのギャング派閥がある。
bb
Rancher
six dead
bbとRancherは似たようなギャング組織だが、bbはフランス系、Rancherはイギリス系のため昔からの因縁関係になっている。
six deadは少数ながら過激派である。ファミリーの絆が強い反面、加入しにくい。
唯一、勧誘も絡みも無かったギャング派閥であった。
仕事で一目を置かれたゼリオはRancher ファミリーとかなり親しくなっていた。
運動場のベンチでたむろしていると、
「なぁゼリー、そろそろお前の話をしてくれよ、俺達ファミリーだろ?」
親しくなった多くのファミリー達の前で自分の話をすることにした。
「私はこの国の人間ではないんだ。君等も知らない国の出身でね。知らない土地に来て、かなり気が動転していたんだ。それであの博物館が家だと思って入ってしまったのかも」
「どこの貴族だよ!」
軽いジョークを入れつつも…
「どうやってこの国に来たのかもわからない。目覚めたらこのイギリス?にいたんだ。」
「記憶喪失ってことか?」
「あぁそうかもしれない。だから国に戻ることもできないんだ。」
「そうか、誰か覚えている人間はいないのか?」
「わからない…ただ私と同じ力を持つ人間には出会えたんだ!」
ついつい口が滑った…
「おいおい、権力を持ったお貴族様ってか?俺たちのことではないみてぇーだ」
笑いが起きた後、
「ここには似たような連中ばかりさ、だからべつに大したことじゃなねー」
ギャング達は皆、それぞれ目を合わせてながら穏やかに笑い、
「俺は孤児院から逃げ出して、こいつ等と会う前までは1人で生きてきた」
「俺は親に売られて、奴隷のような生活してたが、買ったやつを殺して逃げてやった」
俺は、俺も、俺は、俺も
次々と傷を露わにするのであった。
『彼らは、幼少期からのトラウマや、様々な問題をファミリーで分ち合っている。
だからこそ絆は深く、裏切りや、ファミリーへの攻撃を許さなかった。』
その後も、ファミリーは様々な話をしてくれた。
生い立ち、別れ、出会い、裏切り。
彼らは誰よりも傷ついていた。
「ゼリー、俺はクソみてぇな人生だったけど、今はファミリーがいる。だから俺は幸せさ。ファミリーに歯向かうやつがいれば、俺がそいつの息の根を止めてやるぜ」
ゼリオは感じてしまった。
『それはかつて経験した戦争と同じ。』
暴力で平和は生まれない。
それを知る私が彼らを救わなければならないと決心をした。
良ければご感想お願い致します。
初めての投稿です。御指南頂けるとありがたいです。
ブックマーク、ご評価よろしくお願いします。