不協和音編03
「エセルも画家だったんですか!?」
「そこまではわかりません。しかし、彼女達は同じ科学者で同じ道を辿っていますので十分有り得る話かと。」
「でも、名前が同じだけって言う可能性も…」
「絵の女性の顔を見てください。」
「イブと同じだわ…」
「あなたがジョンコリアのことを調べていたので、私も調べてみました。妹のエセルの名前に見覚えがあり、日記を読み返してこの絵を思い出しました。先程のリリスと魔女の絵の話を聞いて、ピンと来ましたよ。」
「【戦士】と【魔女】はエセルが描いたって可能性が出てきましたね!」
「ええ、その可能性はあります。」
「この絵は展示品なんですか?」
「展示したことは無いのです。」
「そうなんですか!?何故ですか?」
「私の趣味で買った物ですからね。それにライオンの顔のタッチがあまり良く無かったので、ここに保管庫して忘れておりました。」
帰ったテイラーは早速、調べに入った。
現在不明な点は、黒猫と白いライオンの意味。そして、アダムの存在。
「ん〜やっぱりわからない。彼女達は何を伝えたかったんだろう…」
モーガンの言葉を思い出す。
『彼女達は科学者よね?あの時代、進化論論争が起きていたのに、創造論的なメッセージを示すかしら?』
彼女達についてより調べると、父親が、トマス・ハクスリーであった。
『ダーウィンの番犬の異名を持つ男…
超進化論支持者じゃない!ってことは、彼女達は創造的な絵を描いているけど、伝えたいのはより現実的なはずだわ!』
一悶着あった次の日。
トントン
「ネビルか、どうした?」
「これ、ゼリオさんっすよね!?どうやったんっすか!?めちゃくちゃリアルっすよ!」
例の動画を見せてきた。
「トリックだよ。忘れてくれ。」
「そうか〜トリックか…でももし本当なら、むちゃくちゃイカしてたんすけどね!」
仕事場に向かったゼリオはいつもと違う眼差しを向けられていた。あの頃のような眼差しを。
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