不協和音編02
「紅茶を淹れましょう。」
テイラーを見たモーガンは館長室へ案内した。
「仕事休んじゃいました。」
「動画を拝見致しました。妙なことに巻き込まれてしまいましたね。」
「動画はどうでもいいんです。彼に言いたいことぶちまけてしまって。」
「喧嘩ですか。喧嘩はいいことです。」
モーガンは紅茶をテイラーに渡した。
「そんなはず無いですよ。ありがとうございます。」
テイラーは紅茶を口にした。
「おいしいです。落ち着きます。」
「この紅茶を毎日飲んでいたら、日々日々、味の感動が薄れていきますよね?」
「まぁ、そうかも知れないです。」
「ですが、飲む場所や、時間、軽食などのシチュエーションによって、違う美味しさを見つけられるのです。
喧嘩は、人生のシチュエーションの1つ。
なので喧嘩はいいことなのです。」
「あなたはいつも私を肯定してくれますね。ありがとうございます。モーガンさん」
「こちらをお使いください」
ハンカチを手渡した。
「素敵過ぎますよ。」
震えた声をしていた。
テイラーが落ち着いた頃、相談を始めた。
「モーガンさん、ジョン・コリアが生前住んでいた場所を、知っていそうな方いらっしゃいませんか?」
「住んでいた場所ですか…わかりました。ちなみになぜ知りたいのかお聞きしても?」
テイラーは【リリス】と【魔女】の絵の共通点を話し、アダムの手がかりとなる絵を探していることを伝えた。
「そうなのですね。でしたら、お見せしたいものがあるんです。ついて来て頂けますか?」
保管庫に入ると目的地までの間、見せたい物について話始めた。
「30年程前、ノルウェーでフリーマーケットを見かけ、立ち寄ったことがあるんです。
そしたら、1枚の絵を気に入ってしまい購入しました。」
「有名な画家の絵だったのですか!?」
「いえ、ノーネームでした。家主に誰が描いたのか聞いたのですが、彼も質屋から買った物だから定かでは無いと言うのです。」
「名前の無い名画ってことですね。」
「そうですね。ですが一部の望みにかけて、質屋に確認しに行ったんです。すると、まだ簿記が残っておりまして、そこには作者エセルと書いてありました。」
「エセル?」
「着きました。こちらの絵です。」
棚から絵を取り出す
【戦士】
「白いライオンに寄りかかって寝ている少女。
白いライオンは少女を守っているのか、大きく口を開け、威嚇している。」
「これが気に入られた絵ですか?」
「はい、マリアンの妹、エセルの絵です。」
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