不協和音編01
緊急でカメラ通話が行われた。
「アップしたアカウントを調べたけど、すでに削除されていて復元もできなかった。
この動画、かなり拡散されているみたい。」
「そうか、ありがとうベック」
「ゼリオ、これは…魔法…なのか?」
ジュリマックが聞く。
「あぁ…そうだ。」
「なんてことだ!俺の勘はやっぱりすごい!」
するとベックがつかさず横槍を入れる。
「そんな事象あるわけないじゃないですか!コラだよね?ゼリオ?」
ゼリオの表情を見て「まじ?」となった。
「じゃあ魔法でこの動画無かったことにすればいいじゃん!!」
「ベック、そんな都合いい魔法なんてないよ。
だれがこんなことを…」
「今、大事なのは、これからどうするかだ!
この動画は合成ってことにする。魔法が使えるってことが知られれば、混乱を生むだけだからな。」
「俺もそうした方がいいと思います!今の時代、こんな感じの加工なんて余裕ですからね!
俺が似たような動画作って拡散しておきますよ!」
「ベック、いいアイディアだ! ゼリオ、それでいいよな?」
「」
「どうした??」
「前はそれでよかった…私に権力があったから。
けど…今の私にはこの力しかないんだ。この力は、人々を助けることができるから。だから隠したいとは思わない。」
「本気か!?普通に暮らせなくなるんだぞ?
テイラーにだって危害が出るかもしれない。」
「テイラーは僕が守る!」
バチン
ビンタにより、ゼリオは頬を赤くした。
「守るってなに?悲劇のヒーローにでもなってるつもり?私は守られたいなんて思ってない!あなたはあなたでいてよ!」
沈黙が流れた。
「ごめんなさい、帰るわ」
テイラーが帰った後も沈黙が流れ、ゼリオが口を開いた。
「僕は僕にできることをするよ。自分のためじゃなく、誰かのためにね。」
そう言ってカメラ通話を切ってしまった。
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