街に暮らす編06
「あのシェリルっていう実習生の子、すごい人気者だね。」
「えぇ、彼女に実習なんてまだ早いんですが、才能があるようで、病院が明るくなりました。」
「そのようだ。私が連れて来た方も、穏やかになったようで安心した。ありがとう。」
「これも神のお導きです。フランシス神父。」
「僕がいた世界は、今とは全然違う国々なんだ。
例えば、産業を得意とする産業国家があったり、農耕を生業にする豊進国、歴史や、書物を管理する神聖国なんかもあったりした。」
「それぞれの国に得意分野があるのね!」
「国というより、民族に得意分野があるのさ。」
「産業なら産業に向いた魔法を使える人が多いってこと?」
「そういうこと。血は似るって言葉があるけど、
僕らで言うと器なんだ。親と子は似るっていう言葉は、僕らの世界でも良く使われていたよ。」
「そうなのね!面白い!ゼリオはどんな国にいたの?」
「僕は得意分野もない、魔法国出身だよ。」
「けど、ゼリオが居たなら、1番強そうね?」
冗談で話すテイラーに、ユニークさ0で返す。
「その話はもうやめよう。」
イスラエルの時のような姿になっているゼリオを見てテイラーは後ろから抱きついた。
「あなたが何に苦しんでいるかわからない。
けど、私達はパートナーなんだから、強がる必要ないよ?」
彼女は全て察しているようだった。
「今日は帰るわ!あなたはあなたのままが素敵よ!」
テイラーは笑顔で帰って行った。
「私の…僕のままか。」
指の先に火を灯した。
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