街に暮らす編02
こちらの世界で目覚めてから、誰かの助け無しでは生きて行けなかったことを気に止めていた。
「いつの間に家を借りてたんだ!?」
「つい最近だよ。とても大変だった。」
ジュリが基地を荒らして帰った夜のこと。
ゼリオは、PCで物件を調べていた。
『ZONE制か…』
ロンドンはZONE1から9まで区切られていて、9→1につれて中心部となり、家賃が高くなる。
『今の手持ちだと4以上では無いと厳しいな』
ZONE4以上で物件を調べたが、ロンドンは不動産が少なく、条件に合う物件は更に少なかった。
『やっと2件、内見のアポイントが取れた…』
すでに、翌日の昼頃になっていた。
内見1、ZONE5 3階建てのアパートの1階
「こちらは家具有りの物件となっておりますが、ご覧の通り、狭めのお部屋です。それに既にご存知かと思いますが、近くに車を止められる場所が無いので、おすすめできません。」
内見2、ZONE3 5階建てアパートの3階
「こちらは見晴らしも最高で、テムズ川もご覧いただけます。家具は無いですが、お好きにアレンジして頂いて大丈夫ですよ」
「あのー、ZONE4以上の内見希望だったのですが…」
「あなたには、こちらの方がよろしいかと。」
胡散臭い笑顔を浮かべていた。
『乗って来た車を見て判断したのか…』
「私は今無職でして、貯金もさほどあるわけでは無いので。」
すると仲介人の態度が一変する。
「んだよ、こっちは忙しいんだ。それだったらシェアハウスにでも住んどけよ。」
そのまま仲介人は帰って行ってしまった。
その後、同じようなことが続いたため、
直接大家を探し、内見も行ったが、詐欺に合いそうになる始末。
『どの国も同じことが起きるな』
そんなことを思いながら街を走っていると、一匹の大型犬を見つけた。
どうやらどこからか逃げ出したよう。
車を止め、その犬を保護し、戻ろうとしたが…
「車が無い…やられた…」
途方に暮れながらも1人と1匹で街を歩いていると、ふと張り紙が目に入る。
「犬のマイクロチップ取付は、お済みですか?」
そこは動物病院だった。
動物病院でチップを調べたところ、飼い主は病院の近くに住んでいることが分かり、連れてってあげることに。
「ビリー!!」
大型犬はビリーという名前で、どうやら散歩中に盗まれたそう。
辺りはすっかり暗くなり、1人歩いていたゼリオは、魔法を使ってこの状況を打破しようとも考えたが、グリフィスを失くした時の誓いのような物を思い出した。
『正しい判断か…』
ドン!!!!
そのままゼリオは意識を飛ばした。
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