リリス絵の謎編02
「かっこいいじゃないか。」
ジュリマックは腕を組んで頷いている。
「そうだろ?気に入ってるよ。」
「自分で選んだ車なのか?」
ニヤッと笑う。
「テイラーに選んで貰ったよ。」
ゼリオはコツコツ勉強し、テイラーに教習官になってもらい、免許を取得していた。
GRスープラのエンジンをかける。
「いい音だ!」
「毎回見送り来てくれなくてもいいのに」
「俺は車を見に来ただけさ」
クラリスに指定された日時に合わせて、ルーヴル美術館別館へ向かった。
「こちらへどうぞ。」
美術館に着くと、この前と同じスーツ男に案内を受け、立ち入り禁止エリアへ通された。
「また会うことがてきて嬉しいわ。」
「私もです。」
「あなたは、私のコレクションに会いに来たと聞いているわよ?」
クラリスは、不貞腐れたような態度を取ったが、すぐ華麗な所作に戻り、話を続けた。
「本日は休館日なので、他の目は気にしなくていいわ。」
ゼリオは絵画を眺めていると、1つの絵の前で止まった。
【魔女】
横たわっている女性と黒猫の絵
「これってジョン・コリアの作品ですよね?」
「えぇ、良くご存知ね。絵にお詳しいの?」
「彼の絵を観る機会があったので調べました。」
『見覚えがあったのはこの絵か…』
一緒に魔女を眺めていたクラリスが口を開いた。
「リリスは、彼が書いた絵では無いのかも知れないの。」
「え?」
見開いた目をクラリスに向ける。
「リリスを描いたのは、彼の妻マリアンだと亡き祖父が言っていたわ。」
「詳しく教えてもらえますか!?」
美しく微笑むと、説明を始めた。
「彼女は鬱病で、パリに治療しに来たそうよ。
その治療を担当したのが、曽祖父らしいの。
彼女は絵をすごく描きたがったらしく、その時描かいたのがリリスだって言っていたわ。」
「ではなぜ、ジョンの作品になっているのです?」
「絵は、病院に飾っていたらしいのだけど、ジョンが持って行ってしまったそうよ。」
「では、盗作したってことですか!?」
「いえ、そうでもないみたい。
彼の死後、息子によって世に出ていない作品も含め、多く広められたらしいわ。」
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ジョン・コレアの魔女は存在しますので見てみてください。