魔法のルーツ編04
「ゼリオ様、なぜ我が国は優位な立場にあるのに、弾圧ではなく、国交なさるのですか?」
ゼンフィスは、王族護衛軍の兵になっていた。
ゼリオの国外訪問に、何度も何度も護衛に付いていたが、その都度、門前払いを受ける姿を目の当たりにし、口を出してしまった。
※刑務所編20
「頭を上げてくれ。2人でいる時は、友として接してくれと言っているだろう。」
「はい…」
「こうして、私を守ってくれて嬉しいよ。それに、この封印のやつは便利だ。ありがとう。」
封印術式は、探知系の魔法対策に発明された物だった。
「ちなみにゼリオ様は、今もほとんど魔法を使ってないのですか?」
「あぁ、必要ないからね。」
「そうなのですね…ちなみにいくつくらい魔法を使えるんですか?」
「握手をすると感じとってしまうから、わからない。」
「そんなに多くの器を感じとったとしても、複雑過ぎて、魔法を使えないのでは?」
「私の場合、イメージをするだけで使える。
火を起こしたいと思えば…」
指から火を出す。
「んー。やっぱり難しい…」
テイラーは器を感じることに苦戦していた。
「僕の魔法の感覚は普通とは違うから、上手く言えないんだ。」
「そっかぁ…
そうだ!魔法使いを探す魔法ってないの!?」
「探したけど魔法を使える人はいないと思う。」
「いたら教わろうと思ったのに…」
「今日はここまでにして、ディナーにしよう。」
「うん!!お腹減った!」
ゼリオが不恰好ながらも、ラタトゥーユをつくり、ワインを出した。
「おいしい!火を通してる野菜なのに、すごくみずみずしい!塩加減が抜群で、野菜の旨みがすごい!」
「良かったよ、そのトマトとナス、南瓜は、僕が作ったんだ。」
「えっ、どこで!?」
「森の一部を畑にした。人目につかないように深いとこだけどね。」
「なにそれ!楽しそう!今度連れてってね!」
食事後、2人はソファに隣同士で座り、ワインの残りを飲んでいた。
「ねぇ、ゼリオ。私達付き合ってるのかな。」
グラスに入ったワインを見つめながら聞いてきた。
ワインのせいなのか、顔を少し赤くして答えた。
「今回の件でテイラーにすごく助けられた。
けど、それとは関係無しに僕は、君を必要とし、大事な人だと感じている。これからも一緒に居たい。」
テイラーはそのままゼリオに寄りかかった。
「私もあなたと一緒にいたい。
やっぱり魔法かけられちゃったみたい。」
寄りかかりながら顔を見上げ、微笑んだ。
「精神魔法は存在しないけどね」
微笑みながらテイラーの顔を見つめた。
「私がかけてるかもよぉ?」
そう言いながら、顔を近づけキスをした。
「そうみたいだ」
2人の息が混ざり合う。
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