表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/141

魔法のルーツ編03


「助けることが出来なかった。」

埋葬した日の事だった。


「兄を失ったのは、僕のせいです。」

やつれた顔をしたゼンフィスは、そう言い残し、その場を去ろうとした。



「グリフィスは誰よりも優しかった。

傷ついている人がいれば、危険をおかしてでも

助けに行くに決まっていた。なのに私は…」


ゼリオの言葉に立ち止まった。


「僕達兄弟は、自分達の力を信じていました。」

そして、背中を震わせながら訴えた。


「あの時、何も出来なかった。出来なかったんです。

自分の力を、おごっていたんです。」

背中の振動はし、床は雨が降っているかのようになっていた。


「魔法が使えなかったから彼を失ったんじゃない。私が正しい判断をしていれば、失わずに済んだんだ。」


ゼリオの言葉に振り返った。


「あの惨劇は今も続いています。

兄のような優しい人が死んでるんです。

あなたになら、彼らを助けることが出来る。

どうか、この争いを終わらせてください。」



「約束する。私が戦争を終わらせる。」



「ならば僕は、兄の分まであなたを守ります。」









卒業後、ゼリオは政治や経済で争いを防ごうと奔走していたが、魔法を使わない王子には力及ばず、右往左往していた時だった。


「王妃様が亡くなられました。」

突然の訃報。


王は遺体から離れないほど乱心し、侵略の魔の手を緩くしていった。

王子はいたみながらも、機に乗じ、国々へ駆け回ったのだった。




ある日、王子は王に呼び出された。


「属国が反旗を翻さなかったのは、お前のおかげだ。」


「父上に、初めて褒めて頂きました…」

驚きを隠せなかった。


属国は、ゼリオの手腕により、経済や、政治の面で恩恵があったため、反乱を起こさなかったのだ。


「そんなことなかろう。

で、反乱を止めたことに免じて黙っていたが、国交を力では無く、対話で進めようとしているそうだな?」


「はい。ですが、会話すら叶っておりません。」


「力を振るわずとも、脅して、話をさせればいいだろう?」


「母上が私を愛してくれたように、私は人々を愛したいのです。」


「………まぁよい。好きにやってみろ。

力が全てだと今にわかる。」

良ければご感想お願い致します。

初めての投稿です。御指南頂けるとありがたいです。


ブックマーク、ご評価よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ