帰路編03
「棺のトリックも魔法でしょ?」
2人で朝食を食べている時、
彼女は確信を得たかのような笑顔で聞いてきた。
苦笑いしながら答えた。
「言っても信じてくれないかも。」
「今の私なら、どんなファンタジーでも信じられると思うわよ?」
彼女の笑顔に観念して話すことにした。
「ずっとあの中に居たんだと思う。」
「あの中って棺に!?あれって1963年に発掘されたのよ!?その前からってこと!?」
「多分ね。魔法で眠っていたんだけど、起きたら展示品になっていたよ。」
「そんなに長く!?なんで眠ってたの?」
「既に治ったみたいなんだけど、ある病いで眠ってたんだ。信じられない話でしょ?」
「あなたを信じるわ。病いが治ってよかった…
治ったから起きれたってことよね?」
「そうみたい。まだその辺はよくわからないんだけど。」
「そうなのね…あの文字はなんの意味があったの?」
「あれは結界魔法を応用した封印術式で、ずっと僕を守ってくれていた。」
「すごい…結界魔法ってどんなことまで出来るの?」
「本来は昨日見せたバリアだけだが、友は君と同じ研究者で、術者がいなくても続く術式を考案したんだ。」
「すごい人なのね、ん、すごい魔法使い?」
どっちでもいいことに2人で笑い合う。
テイラーは疑問に思っていた事を聞いてみることにした。
「教えて欲しいのだけど、術式は最初見えなかったのに、途中から見えるようになったの。なんでかわかる?」
「おそらく、壊れた術式が、なにかのきっかけによって君の魔力に反応したのだと思う。
魔力を使ったことによって器が目覚め、文字が見えたんだ。」
「そういえば、素手で触った時、なんだか眠くなったの。それがそう?」
「そうだと思う。魔力が器から消えかけると本能で眠くなるんだ。」
「器から魔力が消えるとどうなるの?」
「一生魔法を使えなくなる。」
「ゼリオなら戻せるんだよね?」
「僕の魔力はオリジナルには成り得ない。だから戻すことは出来ないんだ。」
「なんだか、難しい…」
「今度、魔法の練習の時に教えるよ。」
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