刑務所編02
「魔力!?!?」
懐かしい力を感じ取り、なんとしても仲良くなりたいと思い、何度も話かけた。数日過ぎた頃、彼はようやく話をしてくれたのであった。
「私はベック・スタンダー、私は君らと違う。私は無実なんだ。一般人なんだよ。ここの連中がおそらくてたまらない。君もさ。だから話かけないでくれ…」
取り調べ軍人を参考に話をした。
「そうか、じゃあ君をベックスターって呼ぶよ、僕はゼリオ・トイセン。ゼリーでもいいし、なんでもいい。好きに呼んでくれ。」
「ゼリーって、君ソーダ味でもするのかい?」
と一瞬微笑み、すぐに顔をしかめた。
「私は違法移民で国が無いんだ。得意なことは子供のようなイタズラ。でも私は悪い人間では無い。君と同じようにね。
ベックスター、君のことを知りたい。なにか得意なことあるのかい?」
ゼリオのたらしの本領発揮と、軍人の喋りが役に立つ。
「僕はプログラマーで、機械いじりが得意なんだ。大抵なことはできるんだけど、それに目をつけられてしまって、利用されてしまったんだ。悪いことにね。」
悲しそうな顔を浮かべる。
徐々に口を開くようになった。
「本来、僕はAIを用いた人間工学…そうだな、ロボット義手とか人に役立つ発明をしたかった。けど、僕の家族には問題があって…」
それからまた彼は口を閉ざすのであった。
「話してくれてありがとう。君にはすごい才能があるんだね。これからよろしくベックスター」
握手を交わした時、魔力を詳しく探ってみた。
『ヨルドム人に似た魔力。』
別世界ではないことに、確証を得ることができた。
「ベックスター、君はいつも悪夢を見る?」
「悪夢?あぁいつも見てるさ。」
「悪夢に耐えられているってことなのかい!?」
「耐えられてないさ!ここにいることが最悪の悪夢だ、覚めてほしいよ。」
悪夢への手がかりは掴めなかったものの、ベックスターの存在は大きな収穫であった。
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ベックスター→若いデンゼル ワシントンさん
のイメージで書きました。