イスラエル編02
「意外と似合ってるじゃないですか!」
「かわいいですね!」
「どうやって運転してきたんですか?」
車を仕事場の駐車場に止めると、四方八方からヤジが飛び交う。
「見て、鍵のストラップ、かわいい!」
「あーゆー趣味もあったのか」
「もしかして彼女の車!?」
「あのジュリマックさんにも春が!?」
彼は最悪な気分で仕事を始めたのだった。
「ここがカー・トレインの入り口よ!」
検問所もテイラーがいた事で難なく通過し、乗車を待っていた。
「正直、わくわくが止まらないんだ、これから車で電車に乗るんでしょ?やばいよ。」
「でも、ほとんど景色みれないよ?」
「いいんだ。なんだかジュリに毒されたみたい。これがロマンなのか」
電車に乗り込むと、40分程度でフランスに到着
「フランスは初めて?」
「あぁ初めてさ!」
「観光しようか?」
とテイラーが提案すると、
「いや、そんな場合じゃないさ。」
テイラーは黙ってルートから外れ、ルーヴル美術館ランス別館に行く事にした。
「ここは?」
「美術館よ、観光したさそうだったから」
ゼリオはニコッと笑い
「ありがとう。」
彼の心から緩んだ笑顔を初めて見たテイラーは、少し頬を赤くした。
「素晴らしい…」
真剣に見学しているゼリオを見て、
「あなたって芸術家に向いてるかもね」
と、言ったところで、スーツを着た男が話かけてきた。
「特別な芸術品をお見せしますので、こちらへどうぞ」
疑問に思いつつも、着いていくと、関係者以外立入禁止エリアに入った。
「どういうことですか?」
「ご心配いりません。こちらです。」
通された場所には、貴重な絵画や像が飾られ、ソファが置いてあった。
「ボンジュール、ゼリオ。」
美しい女性が姿を現した。
とりあえず、フランス語で挨拶をした。
「こんにちは、私をご存知なのですか?」
『ゼリオ、フランス語喋れるんだ!?』
「聞いていた通り、きれいなフランス語ね。
私はクラリス・オートランド。わかるかしら。」
ゼリオは緊張の糸が切れたように話した。
「レオのパートナーですね。初めまして。彼女はテイラー。」
テイラーには通訳して、お互い挨拶をした。
「レオからあなたの事を聞いていました。あなたのおかげで彼は変われることができた。本当にありがとう。レオには、あなたと会うことを許されてなかったのですが、どうしてもお礼を言いたくて。」
「彼と良き友人になれたことは、ラッキーでした。彼には感謝してますし、もちろんあなたにも。あの白ワインは美味しかった。」
クラリスは嬉しそうだった。
bbはフランス北部で活動しており、クラリスは美術館にいることが多かったため、たまたま出会えたらしい。
「私達と関わりがあると知られたらまずいですね。こちらをお土産でお持ち帰りください。」
あの白ワインと高級グラス2個。
「急だったもので気が利いたものを用意できませんでしたが…」
「いえ、ありがとうございます。嬉しいです。」
2人はフランスを後にした。
「ねぇ何の話してたの?」
「後でゆっくり話すよ。」
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