カルト編04
「それで、これからどうする?」
秘密基地にはゼリオ、モニター越しにジュリマック、テイラー、ベックスターがいた。
「この回線はハッキングされないようになってるから安心して話していいよ」
ベックスターが自信満々に告げる。
「それにしても、すごい秘密基地ね、男のロマンを集めたようなとこ。」
ゼリオの背景を見てテイラーが関心する。
「俺のセンスいいだろ?」
自慢げなジュリマックに
「最高ですよ、ジュリマックさん!」
ベックは媚を売るのだった。
秘密基地に逃れて2週間ほど。これからどうするか話し合うことにしていた。
「まだ、ほとぼりが冷めそうにないわね」
「どのニュースサイトもまだまだゼリオのことを扱っているよ。」
沈んだ雰囲気の中、ジュリマックが口を開いた。
「俺に提案があるんだ。」
「「「提案?」」」
「あぁ、仮釈放中の時より状況が悪くなっているが、良くなっていることもあるだろ?」
「有名人になったとか?」
「ベック、冗談は良して。」
「・・・GPSが無くなった?」
「そうだ、ゼリオ。ってことは海外に行けるってことだろ?」
「そうだけど、今の状況だと尚更、パスポートは手に入らないよ。」
「俺が誰だと思ってる?これを見ろ!」
パスポートをカメラに向けた。
「ジュリマックさん最高です!」
「けど、パスポートが手に入ったところで、海外になにしに行くの?」
「海外にあるrib wreathの手かがりを探せってことか?」
「その通りだ!だがそれにはテイラーの協力が必要不可欠だ。」
「私?」
「あぁ、ゼリオは犯罪履歴があるから入出国が難しいんだが、同伴者がいれば話しがべつなんだ。その同伴者をテイラーに頼みたい。
それに、テイラーと一緒であれば、手がかりを見つけやすくなるしな。」
「行く!絶対行く!」
「テイラー、仕事はどうするのさ」
ゼリオの言葉は興奮しているテイラーには届いていない。
「すでに俺から研究所に、捜査協力でテイラーを借りることになっている。」
「さすが仕事が早いっすね!!
けど、手かがりを探すのに、僕は力になれないと思います。僕には、かつての仕事の時のような働きをするすべがありませんから…」
「そうだったのか。ベックを当てにしていた。」
ジュリマックの計画は、ベックスターが手がかりを探し、そこにゼリオとテイラーが向かって調査するというものだった。
計画が頓挫して、皆黙っていると、
「私、いい考えがある」
テイラーが口を開いた。
「この絵が組織のシンボルなんだよね?」
「そうなんだと思う。手かがりにはすべて、この絵が刻まれていたからね」
やはりめんどくさそうに答えた。
「私が知っている人で、こういったものに詳しい人がいるの!」
「どんな人物なんだ?」
前のめり気味にジュリマックが聞く。
「博物館の館長でお世話になっている人なの。
彼ならこのシンボルを見たことがあるかも知れない。もし知らないくても、きっと私達に協力してくれるわ」
「たしかに博物館の館長であれば、良い協力者になり得ると思うが、その分リスクがでデカすぎる。」
「この組織が悪い組織と確定した訳ではないし、ジュリマックの名前も出さない。
彼のことを良く知ってるから信用できる。
悪いことが起きないわ」
「他に手は無いか…。わかった。接触できるか?」
「任せて!」
「接触はテイラーに任せよう。今のゼリオは町に出るべきではないし、博物館であれば尚更だ。」
「館長に殺されるかもしれないからね」
「ベック!彼はそんな人じゃないわ!」
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