カルト編01
『ギャングの野郎共、消えたか。』
ジュリマックは自宅近くのバーのテラス席で、夜風に当たりながらビールを飲んでいた。
「なぜ、君がこれを持っている?」
ベックの雰囲気が一変したため、『まずい』と思ったゼリオは、誤魔化そうとしたところ、
「僕は君ら側の人間だ。」
なにやら察知したベックは、小声で伝えてきた。
「この写真について、なにか知ってるんだね?」
「知っている。けど、なぜこれについて知りたいんだ?」
「ベックすまない。言えないんだ。」
「言えないなら僕は協力できない。それじゃあ切るよ」
カメラにベックがPCを切ろうとした仕草が映る。
「わかった、わかったよベック。君には全て話す。」
「そこの彼女にも聞かれていいのかい?」
「あぁ、彼女はもう協力者だ。聞く権利がある。それに絶対、席を外さない。」
テイラーは、わかってるねって顔で微笑んだ。
「ジュリマックの捜査に協力してたら、
この写真にたどり着いたんだ。」
「なんの捜査だい?」
「rib wreathについて。」
その言葉に苦渋の決断のごとく、話す。
「僕の家族には、問題があるって話、覚えてるかい?」
「覚えてるさ。」
「僕の家族はrib wreathの信者なんだ。」
「なんだって!?」
「そして代々、諜報を担当していたんだ。」
「諜報?」
「そう、僕はこの石のような、組織の手がかりとなり得る物を、世間に漏洩しないよう監視する役目だったんだ。
けど、僕は協力するのが嫌だった。夢もあったし。SNSで組織の事をばらそうとしたら、家族から濡れ衣を着せられ、ブタ箱に入れられた。」
悲劇のヒーローばりの悲壮感を出しつつ、
「どうやってこの写真を手に入れたんだい?ってもうそれはどうでもいい。よくこの絵が組織のことだと、たどり着いたね」
「彼女が推理したんだ。」
推理的中に、テイラーの目は輝いていた。そして
彼女は興奮した口調で、
「私は研究者なの!私の推理を聞いて欲しい!
あれでね、これでね」
話している途中のテイラーに
「もういい!落ち着いてくれ!!君は僕と同じ匂いがする!」
と口を挟んだ。
テイラーは不満そうに口を閉じた。
ベック曰く、
・世界中にこのような手がかりとなる物が存在する。
・かなり古くからある組織。
・家族以外の信者の詳しい情報は無い。
とのことだった。
「僕の知っているのことは少ないんだ。」
渋い顔のベックと対極に、テイラーは興味深々で質問した。
「何を崇めているの?」
ベックはめんどくさそうに答えた。
「崇めていると言うよりかは伝承?をしてるみたいなんだ。ギリシャ神話とか北欧神話とか、そんな感じさ。」
「どんな話なの?」
『だるいな』と、思いつつ、
「子供の頃に聞かされた話だから、あまり覚えてないんだけど、なんだか悪魔崇拝のような恐怖を感じた気がするよ。」
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