仕事編01
「なんで私を助けてくれるんだ?」
すっかり暗くなった車内で、ゼリオは沈黙に耐えられず質問した。
「人の目を見れば、そいつがどんなやつなのかわかるんだ。俺には君がいい人間に見えた。だから助けたんだ。」
「それは相当のお人好しだ。」
「そうなのかもな。でも、そう思える人間の方が信用できる。」
片手にハンドル、片手にハンバーガーも持ちながらジュリマックは答えた。
「ジェイソンボーンを信用するなんて変わってる。」
素直に信用されていることに嬉しく、頬を緩くする。が、照れ隠しに続けて話をする。
「この後の予定は?」
「新居のお披露目だ。」
「ここが今日から君の家だ。」
「こんな豪邸に住んでいいのか!?!?」
「違う違う、そっちじゃない。こっちの方だ。」
そちらの方に目をやると、古びたガレージ。
「本気?」
「あぁ本気だとも。ちなみに、こっちは俺の家だ」
彼は物凄い悪い顔をしていた。
「素敵なモーテルだ」
皮肉を言ってやった。
「これがガレージの鍵。あと服だ。
今日はゆっくり休め。それじゃあな。明日8:00に迎えに来る。」
『迎えに来るって隣じゃないか』
ガレージの扉を開けると、外見より中はしっかりとしていた。簡易的なシャワールームにトイレ、ソファにベッドもあり、ベックスターと過ごした部屋に比べると、月とスッポンであった。
部屋を確認すると、盗聴器や、隠しカメラは見つからなかった。
『本当に信用されているんだな』
穴だらけの腕に治癒の魔法をかけた。
「おはよう、準備がいいな」
「ご主人様を待たせたらまずいからね」
7:30には仕度を済ませ、自由の風を感じていた。
「使用人を雇うなら、キレイな女性にするから君はクビだ。」
とジェスチャーで首を切る動きをした。
「もう無職か」
と鼻で笑う。
「これを渡しておく。」
ゼリオはIDと、スマホを受け取った。
「これからだが、俺の捜査に協力してもらいたい。」
「捜査って、私は資格も持ってないし、これを着けてる身だぞ?」
とGPSを指差した。
「それに私になにができるって言うんだ?」
「いいんだ、俺は君が一番適していると思っている」
ゼリオは感を働かせ、
「なるほど、ギャング関連ってことか。」
「それも手を貸して欲しいが、違うんだ。
ある組織の捜査を手伝ってもらいたい。」
「ある組織?」
「あぁ、カルト集団なんだが…」
ジュリマック曰く、
信者があらゆるとこに隠れ潜んでいるため、協力者を得ることができず、独自で捜査していた。
仕事内容は、ジュリマックの存在を伏せ、情報収集を行って欲しいとのことだった。
「ゼリーは魅了が得意だろ?ギャングでもなんでも使っていい。なにか掴んだら教えてほしい。それに君には他に目的があるんだろ?その目的にも、役に立つんじゃないか?」
お見透しだぞ?と、言わんばかりな顔だった。
「はぁ〜、わかったよ。協力しよう。なにかわかったら連絡するよ。」
「その言葉を待ってた。よろしく頼む。」
「で、その宗教団体の名は?」
「rib wreathと言うらしい」
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