出所編01
「壁の外はどうだ?」
刑務所から出迎えたのはジュリだった。
「なんだか不思議な気分だよ。」
「そうか、まぁ乗ってくれ」
笑みを浮かべながら親指でタンドラの助手席を指差した。
「仮釈放だって??」
「あぁ、いいニュースだろ?」
herXbルールが制定されてから2ヶ月後のことだった。
「刑務所内の行いが評価されたんだ。
本当アメージングだよ。
それに君の刑期は、ほとんど調査するためにあったようなもんだからね。」
「どう言う意味?」
「君のデータが全くない。
それってどう言うことかわかるか?」
「・・・」
手でわからないポーズをとった。
「我々は世界の様々なデータを得ることができるんだ。
なのにだ。情報が一切存在しない。
それが意味するのは裏の人間ってことだ。
だから表では、移民のイタズラとして公表したが、実際は、危険人物として扱うことになっていた。
なにをしでかすかわからないし、目的もわからないからな」
「まるでジェイソンボーンだ。」
「ハハハ!!彼も記憶喪失だったからね!上手い例えだ!」
手を叩いて笑った。
真剣な顔に戻し、
今回の件で、君がジェイソンとは違うと認められたんだが、2つ条件がある。」
「条件?」
「一つはファミリーから抜けること。
もう一つは、俺の監視下にあること。」
仮釈放と国籍取得は、ジュリマックの働きによるものが大きかったのであった。
「どうだ、コーヒーの味は。」
「すごく苦いけど、気に入った。」
車から見る外の景色にゼリオは心を弾ませていた。
「ファミリーから抜けてくれてよかったよ」
「あぁ、正直、あの後色々あったけど、最後は皆んな友達として見送ってくれたよ。」
「ゼリーらしいな」
「ゼリーはやめてくれ」
2人して笑った。
「これからだが、何かしたいことはある?」
悪夢を見ることが無くなったのと、
元の世界に戻る術が無いと、半信諦めていたため、これらのことは優先事項から低くなっていた。
「今は・・・世界を見たい…かな?」
するとジュリが、ゼリオの足に指を差した。
「それはgpsだ。
勝手にどっか行ったら刑務所行きだ。
他の刑務所でも治安回復してくれるなら大歓迎だけどな」
そう言って高らかに笑った。
「テイラーって言う女性知ってるかい?」
トニーから報告があったため、ジュリマックは彼女を把握していた。
「研究者の人だろ?知ってるけどなんだ?
もしかして会いたいのか?」
ニヤニヤしながら顔を見て来た。
「よそ見しないでくれ、ジュリが思っていることじゃないよ」
呆れながら答えた。
「彼女には真相話そうってか?妬けちゃうねー。」
「いい加減にしてくれ」
「まぁ、アポイント取ってみよう」
少し考え込み答えた。
「いや、今はまだいい」
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