刑務所編20
「ゼリー、考えごとか?」
「あぁ」
「もしかしてジュリマックのことも好きになっちまったのかよ!」
面会が終わり、集会に行くと、例の如くボマーが絡んで来た。
「私はノーマルだ。もし私が男が好きだったとしても、奴には惚れないね。」
と呆れ顔で言った。
「そりゃあそうだ、奴に入れられるのはブタ箱で十分だ!」
いつもと変わらない汚いジョークでファミリーは盛り上がった。
しかし、ゼリオは苦笑いもせず、再度考えごとに勤しむのであった。
そんな時、隠し持っていたスマホにメールが届いた。「手紙が届いたよ」
ベックから手紙を受け取り、開いた。
「明後日、昼時間に来い、ファミリーはランチに行かせる。」
セインはやっと自分の仕事が達成できると、喜んでいた。
それほど他派閥のボス同士が合うのは難しいことなのである。
そして、
bbのテリトリーに3つの派閥が集まった。
これはゼリオが奔走して勝ち取った奇跡である。
「ゼリオ様、なぜ我が国は優位な立場にあるのに、弾圧ではなく、国交なさるのですか?」
若き頃のゼンフィスはゼリオの行動が理解できず、その立場でもなかったのに具申をしてしまった。
慌てて
「申し訳ございません。」
「ありがとう、ゼンフィス。」
その言葉に、頭を地面につけたまま、つぶっていた目を見開いた。
「この国では、意見を言ってくれる人は少ない。
意見が言えない国はいい国とは言えないと思う。
他の国はどうだろうか。
他の国だって、私たちの国のせいで同じだと思うんだ。
それなのに弾圧をしたらもっと意見が言えなくなるじゃないか。」
その言葉にゼンフィスは心から王を尊敬した。
「ゼリオ様、なぜそんなになるまで、国交を結ぼうとするのです!?
ゼリオ様が手を差し伸べても、
あーでもない、こーでもないばかり。
これがあなた様が目指した国交なのでしょうか!?」
心を震わせた言葉から数十年、疲弊しきったゼリオを見てゼンフィスは、言い放った。
「ゼンフィス、ありがとう」
その言葉に涙がこぼれ落ちて来た。
「ゼンフィス、国とは文化なんだ。
だから押し付けてはいけない。
押し付け合ってしまうから戦争が起きるんだ。
だから私は彼らを、押し付けてしまってはならないんだ。」
ゼンフィスはゼリオを愛した。
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