刑務所編17
「1人で行くのは危険だよ!
それに、フランス語はできるのかい?
奴ら、英語を理解してるのに、英語だと絶対話をしないんだ」
「フランス語ならなんとかなると思う。
じゃあ行ってくる。」
「やばくなったら手をあげてくれ、
防犯カメラで見てるから、手があがったら、サイレンを鳴らす。」
「ありがとう、助かるよ」
昼食の時間はフリータイムと兼ねており、食事を終えると運動上に出ることができる。
レオは昼食に手をつけず、すぐに外に行き、食堂係の調理担当が特別に用意した食事を彼らのテリトリーで食していた。
『ベックの調べ通り、この時間が1番ファミリーが少ないな。』
「食事中すまないが、ベルナールさんにお会いできないか?」
普通なら、他派閥の人間がテリトリーに侵入した瞬間、問題が起きるがそうにはならなった。
「こっちにこい」
あっけなく、レオの元へ通された。
「よう、ニンジャ。この前の抗争の時、覇気使ったそうじゃねーか。聞いたぜ??
まるで火拳を助けに来た弟みたいだったって。」
レオとメンバーは嘲笑った。
「それで?セインの次は俺と仲良くしたくなったのか?」
「あぁ、単刀直入に言うと、そう言うことになる。」
「マジかよ聞いたか?海賊同盟でも組むつもりかよ!
それにこいつ一丁前に俺たちの言葉使ってやがる。」
レオとメンバーはさらに嘲笑った。
「今回は挨拶したかったんだ。そして、後日、時間を設けて話がしたい。」
「まぁ俺たちの言葉を使って来たんだ。多少は評価してやる。それにお前は面白い!
けどダメだ。失せな。ムッシュモブ」
「時間を取らせてすまなかった。
せめてこれを受け取ってくれ。」
ゼリオは最高級のブルゴーニュ産 赤ワインをレオに渡した。
レオはメンバーにコルクを抜かせ、テイスティングした。
「お前、フランス人だろ?俺たちの挨拶の仕方をわかってやがる」
レオは満足そうに言った。
「私はフランス人じゃないよ、このワインの良さがわからないからね」
「ならフランス人じゃあねぇな。
自分の国がわからないんだっけか?」
「あぁ、でも国が恋しいよ。」
「お前のフランス語、きれいだぜ?」
ワインのおかげで雰囲気が一変した。
「いいだろ、時間を作ってやる。
連絡は手紙で出す。」
レオはグラスを持ち上げて乾杯のポーズをし、グラスに入っていたワインを全て口に入れた。
「わかった。ありがとう、いい時間になることを願っているよ。」
「あと…」そう言って、もう一本、細身のワインボトルをテーブルに置いた。
「私はそのワインより、こっちのワインの方が好きだ。」
そう言い残し、テリトリーから抜け出した。
「ボス、なんのワインですか?」
レオは答えなかった。
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