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プロローグ02

歴史書を読みあさるも、途方に暮れるゼリオの姿を見たゼンフィスは物思いにふけるように言った。


「我が父、祖父、ご先祖は古来より国のために戦って来ました。この私もそうでした。

そして幾千年続いた戦いを終わらせたのは

偉大なる王、アーロン様でございます。」


アーロンとはゼリオの父であり、先代の王。

世界一の大国であり、事実上、世界を掌握していた国の王の死による和平に、異論を唱える国など無かった。


「以前の父は領土や金、女。誰よりも欲の塊だった。私は、そんな父が大嫌いだった…しかし、ある時から変わられて平和を目指した。まるで別人になられたな。」


「はい、[人の欲は穢ればかりだ]が口癖になるほどに…」


「私は父に一度だけ、怒られたことがある。」


「以前のアーロン王にはいつも怒られていたではないですか、欲するものに手を伸ばせと。」

そう笑いながら言うゼンフィスに


「変わられてからの父に怒られたんだよ。」


「お優しくなったアーロン王にですか!?」


「あぁ、流れて行く血を多く目にし、嫌気がさしたんだ。そして私も戦争という暴力に加わろうとしたことがあった。私の手で戦争を終わらすと」


「そうだったのですか!?そうであればたしかに終戦はしていたでしょうが、

頑なに戦争を反対し、国交で和平を結ぼうと励んでらっしゃったゼリオ様が!?」


「あぁ、以前の父なら大喜びだったはずだったが…本当に変わられてしまった」



ノスタルジックな気持ちでベットに入り、眠りに着くと、ゼリオに悪夢が訪れた。


「あ゛あ゛あ゛ぁ」

汗だくで起きたゼリオは震えていた。

かなり悪い目覚め。まだ夜中。


「ろれが悪むぅ…これはひとい…」

呂律が回らない。


朝、ゼンフィスに悪夢について打ち明ける。


「なんと…王が悪夢に…」


その日の午後には重臣が集まり、会議が行われた。


「「まだ治療法が無い、どうすれば…」」


結論が出ないまま数時間が経ち、ゼンフィスが口を開く。


「アーロン王のお命により、国交は安定しました。しかし、ここでゼリオ様まで悪夢にかかったとなると諸外国がまた争いを起こすやもしれません。ゼリオ様の悪夢は厳重に秘密にしなくてはならないかと。」


満場一致で決定し、悪夢については様子を見ることとなった。会議を終了しようとしたところでゼリオが口を開いた。


「心配かけてすまない、私から提案がある。」


皆がゼリオへと顔を向ける


「国交が安定している今、私が表舞台にいなくとも、しばらくは問題ないはずだ。

だが、皆の言う通り、私の悪夢落ちが世間に知られたら、また戦争が起きるかもしれない。それは避けなればならない。」


そして驚きの発言をした。


「私を仮死状態して、封印してくれ」


「ま、まってください!!それは…」

動揺する家臣に続けて言い放つ。


「今の時代に治す方法がないというのであれば、未来に治す方法があるかも知らない。

だからそれまで私を仮死状態にするんだ。

治す方法が見つかった時、起こしてくれればいい。」


「ですが、仮死状態でも夢を見る可能性は多いに有ります。起きている状態で回復の魔法をかけ、延命を図り、その間で治療法を探した方がいいかと。それに封印までする必要など…」


「それではジリ貧だ。私の命が間に合わない可能性がある。」

「仮死状態になれば、体力は削られはしない。精神はかなり削られるだろうけども、耐えてみせる。」


では封印の意味は?…


「精神が壊れた私が世界を破壊しないように」


王に魔法をかけ、仮死状態にし、封印を施したのであった。





良ければご感想お願い致します。

初めての投稿です。御指南頂けるとありがたいです。


ブックマーク、ご評価よろしくお願いします。

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