刑務所編16
金曜日の18:00。テイラーは既に棺を眺めていた。
「こんばんは。」
後ろから、あの紳士の言葉が聞こえ、振り返り、テイラーも挨拶を返した。
「テイラーさん、今日は私の部屋でお話ししましょう。」
テイラーは館長室に通された。
そこには、先に男が座っていた。
テイラーはモーガンのエスコートで椅子に座った。
館長室は意外にも何も無く、すっきりとした雰囲気であった。
「テイラーさんお久しぶり。彼を紹介したくてお呼びしました。」
「こんばんは。テイラーさん。」
先に座っていた男と軽く握手を交わす。
「私とモーガンは、腐れ縁みたいな関係なのですが、
珍しく、彼からお願いをされましてね。
棺を毎日見に来るレディーの助けになって欲しいと。」
「助け…ですか?」
「ええ」
「申し遅れました。私はトニー・カエサル。あなたの望みを叶えられるかもしれない」
「ゼリオ、頼まれた物届いたぜ。」
「おぉ、ありがとうグノリス!」
「けど、高ぇーなこれ、チップ分なんて出なかったぜ」
「そうか、じゃあこれを」
30ポンドを渡した。
「わかってるじゃねーか、ありがとよ」
「外の連中にネコババされるんじゃないかと心配したよ」
「そんな奴はファミリーじゃねぇ。
それに、この前出所したロドニーが今回の担当だったんだが、お前の荷物だって伝えたら、電話越しでもわかるようにビビってたぜ。」
と大笑いした。
ゼリオは苦笑いをし、もう30ポンド渡した。
「ロドニーにもチップ渡しといて欲しい」
「これで少しはお前のこと好きになってもらえるかもな」
ファミリーがやる伝統的な握手をし、その場を後にした。
「ベック、レオの行動パターンわかった?」
「だいたいわかったよ。」
「1人の時間、もしくは、会いに行けそうな時間はありそう?」
「1人になっている時間は無いな〜」
ベックスターは、刑務所のシステムにハッキングして防犯カメラを見ていた。
「それにしても、ベックはすごいな。これなら脱獄もできちゃうな」
「バカ言うなよ、僕は一般人だ。そんな悪いことできないね。」
天然なのか、わざとなのかわからなかったが、ツッコまないことにした。
「奴と会うとしたらこの時間のこの場所だね」
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ロドニー→内山信二さん
のイメージで書きました。