刑務所編11
カチャカチャ
テイラーは自宅のパソコンで文字について調べていた。
『どの文字とも一致しないわ。
ロゼッタストーンのような手がかりがあれば、解読できるのだけれども…
それに、私にしか見えないってどういうこと?』
謎が謎を呼んでいたが、根っからの研究者であるテイラーは内心、こころを踊らせていた。
独自に調べて数ヵ月。
『何も進展していないわ…』
天井を見つめながら、
「あなたは何を伝えたいの?教えて?」
と呟いた。
あの日、同じようなことを言ったのを、思い出した。
「結局、どうやって壊したかわからなかったわね…」
思い出していると表情を変え、
『研究者の私でもわからないのに、本当にどうやって壊したの? ただの移民にそんなことできる?』
目的が、破壊の調査から文字の調査になっていて、トリックを暴けなかったことを、忘れていた。
悔しさが溢れてきたので、ソファに座り、気分転換YouTube を開いた。
『なに見ようかな〜』
YouTube のおすすめには、博物館で起きた事件の動画ばかりであった。
おすすめされた動画に少しイラついたが、
最後の最後にと、再生することに。
調査期間中、何度も何度も見た移民の脱出マジックショーの様子が、変わって見えたのであった。
「six deadの様子は?」
心配そうにゼリオはセインに聞いてみた。
「今は僕が仕切っています。知っての通り、僕らはファミリーの絆は強いので、皆んな喜んでくれました。けど…」
「私達の関係を良く思わない…か…」
「そうです。他派閥となると、いくら僕でも彼らを納得させられないです。」
「私を彼らに紹介してくれないか?」
思いもしなかった提案に、セインは驚き、
「それこそまた暴動が起きますよ!、Rancherだって黙ってない!」
慌てているセインに
「ちょっと仲間に相談してみる、時間が欲しい」
と言い、Rancherへ戻ったのであった。
「ボマー、ちょっと時間いい?」
2人きりで話せるよう、時間を作ってもらった。
「どうした?」
「私とセインの関係は知っているだろ?」
「あぁ知っているさ、お前がやつの正体を知らなかったってこともな。だが、そろそろやつとは手を引け。いいな?」
「なぁボマー、彼は派閥間の関係が、良くなるためのきっかけになると思うんだ。」
「おい、何を言ってんだ!?俺達Rancherは刑務所内だけの組織じゃねぇ、俺だってここではボスだが、外にはもっと上の連中がいる。そいつらも黙ってるわけねぇーだろ!
そんなことしたら俺が殺されちめーよ!」
「派閥の関係が良くなるのは、デメリットとされるからNGなんでしょ?」
「それだけじゃねぇ、昔からの因縁とか色々あるんだよ」
「だけど、最高のメリットがあれば、外の連中は文句は言えないし、ここの責任者である君が評価されると思う」
ボマーは少し考え
「何か考えがあるのか?」
「あぁ」
計画をボマーに話した。
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