黒幕編10
「結界魔法をかけなさい。」
モーガンとトニーは、テイラーの周囲に近づき、結界魔法をかけさせた。
「テイラー、なにをしてるんだ?こいつらに攻撃できないじゃないか!」
モーガンはその言葉に笑顔を見せ、
「思い出して下さい。」
「ゼリオ!この人の話を聞いちゃ
テイラーはモーガンの言葉を遮ろうと、大声を出すが、トニーが口を塞ぐ。
「思い出せるはずです。悪夢の正体がわかったのですから。」
ゼリオは何故、悪夢について知っているのかを聞き出そうと声を出そうとしたが、今はそうする場合では無いと判断し、口を閉じた。
「かつてのあなたを希望といいました。」
「何を知っているというんだ?」
「全部知っています。私はあなたを1番近くで守って来ましたから。」
ゼリオは1人の人物を思い浮べ、
「ゼンフィス?」
モーガンは、ゼンフィスの姿とは程遠い。
だが、ゼリオは膝から崩れ落ちた。
「永遠とも呼べる時間。私はあなたを守ってきました。そして気づいてしまったのです。ゼリオ様が希望だったと。」
ゼリオは記憶の片鱗が現し始めたのを感じた。
「希望と呼ばれたあなたの名は、パンドーラ。」
記憶の自分は力を持たない女性だった。
「魔法族を滅ぼしたのは、あなたです。」
厄災とも言える記憶が蘇みがえる。
「あなたはzero all!世界を変えるべく、男へとかわられた!」
魂の記憶と、自分の記憶が一致した。
「俺はゼリオ。」
「はい、地獄の王です!」
「ゼンフィス、良くも俺を殺してくれたな?」
ゼリオは結界魔法を破壊した。
「あなたが、蘇るとは思っていませんでした。
あなたの死を後悔した日、私は悪夢を発症しました。気づけばこの姿です。」
「なぜお前は生きている?」
「ゼリオ様の中にあったリリス様の体を、私に入れました。愛したあなたを裏切ってしまった代償を負いたかったのです。」
「お前が俺を呼び覚ますように企てたのだろう?目的はなんだ?」
「フリタニア人は、自らを神と伝えました。
その神は争いをもたらした。あなたが望んだ世界では無い!
私は、あなたのために地獄を伝えたのです。
地獄の王として、世界を変えて頂きたい!」
「魔法で世界を滅ぼせと?」
「リリス様の魔法を奪い、世界を変えるのです!」
ジュリマックは急いで電話を取り出した。
「ベック!あの銃を持って来てくれ!」
「ジュリマックさん、その…銃が奪われました。」
「はっ!?セキュリティーは万全だったはずだ!」
「全て突破されたんです!間一髪、魔法を使えて隠れることはできたんですが…」
「ガイルの仕業です。ゼンフィスと娘を殺そうとしているのです。」
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