黒幕編09
あらゆる魔法を行使し刑務所の中を進み、たどり着いた
部屋のドアには【所長室】と書かれていた。
『一気に制圧するか、言葉で解決するか、』
ゼリオはドアの前で考え、室内の透視をしようとした時、
ガチャ 「お入り下さい。」
ドアを開けたのは、刑務所で何度か見かけたことのあるトニーと呼ばれていた人物であった。
ドアの隙間から、拘束されたテイラーの姿が見え、中に入ろうとすると、ドアの死角から男が現れた。その男に怒りを抑え言う。
「これはどういうことですか?」
「まさかこんな日が来るとは。」
「聞いているのか!?モーガン!!」
魔法を直ぐ放てるよう、手を広げた。
「素晴らしい。素晴らしいです!やはりあなたはそうあるべきなのです。」
モーガンは喜びに震えていた。
「サイコパスめ、テイラーを離せ!」
魔法を放とうとすると、テイラーが声を出す。
「んん!んんんんん!」
ゼリオは魔法でテイラーの口元を解放すると、
「だめ、あなたは人を傷つける人間ではないはずよ?」
涙を流し、ゼリオの心に訴えかけた。
「彼女は、私の計画に賛同してくれませんでした。残念です。」
「計画?」
「お話ししましょう!私の計画を!!」
その瞬間、教会にいるジュリマックの目は、所長室の光景を見せたのだった。
「なにが見える!?」
リリスがジュリマックに駆け寄り、話かける。
「モーガンだ。」
「止めてくれ、希望の子よ。私の希望を助けてくれ。」
リリスはジュリマックにしがみついた。
「モーガンは一体何者だ!?」
「やつは、あの子を最も愛し、憎した者だ。」
「モーガンが?」
「ゼンフィスだ。」