黒幕編07
急ハンドルを切ったジュリマックに、ゼリオは声を荒げた。
「今はテイラーが優先だろ!」
「シェリルまで拐われたらまずい気がするんだ!」
大きめの声を出すと、冷静さを取り戻し、
「博物館には俺の部下を向かわせている。」
ゼリオを落ち着かせた。
「見た記憶の影響か?」
「あぁ、俺の考えが正しければ…」
ジュリマックはアクセルを強く踏み込むのだった。
チャドは家の前でゼリオを待っていた。
「シェリルはどうしたのです!?」
ゼリオがチャドから詳しい話を聞こうとするが、パニックになっていて会話が進まない。
ゼリオとジュリマックは、チャドを落ち着かせ、話を聞きいた。
「血を飲ませた後、シェリルは元に戻ったが、すぐに様子がおかしくなったんだ。」
「血を飲ませた?」
ジュリマックは、ゼリオの血を飲ませた話を聞くと、
「おいおい、まじか…」
途方に暮れている様子を見せ、続けて質問した。
「前にも血を飲ませたことはあるか?」
「2度あった。」
チャドは、黄金の血の話をすると、ジュリマックはスマホを取り出し変な質問をする。
「ライラと出会ったのはいつのどこだ?」
「1999年8月11日のロンドン。」
「シェリルが気を失ったのは?」
「2019年7月だった。場所はフィジー。」
スマホでなにやら調べたジュリマックは、チャドにシェリルの部屋を案内させた。
「ジュリ、なにしてるんだ?」
「娘の部屋を荒らすな!」
何かを探していたジュリマックは、チャドの制止を振りきり、日記を手に取った。
「ゼリオ、これを見てくれ。」
「それは地獄の文字!?」
「違う、これはお前の時代の言語だ。シェリルはゼリオを探している。」
シェリルの日記は、聖母のような暖かな内容であった。
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