黒幕編04
「あれ?ゼリオさん!?私…今なんて?」
目隠しを取ったチャドは、すぐさま強く抱きしめた。
「シェリル!よかった!混乱しているんだ。大丈夫。大丈夫。」
『私が娘?娘って…』
ゼリオは、脂汗をかいていた。
「ゼリオさん!血が!」
ゼリオの異変に気づいたシェリルは、押さえている手首が目に入り、慌てると、
「だ、大丈夫。大丈夫だから。」
ゼリオはその部屋を離れたのだった。
「ゼリオさん!切り過ぎだ!止血しなければ!」
チャドは、床の血をたどってゼリオの方へ向かったが、途中から血が無くなっていた。
「ゼリオさん!どこだ! ゼリオさん!?」
ゼリオは倒れており、急いで出血している手首を確認すると、
「き、傷がない?」
ゼリオは突然起き上がり、
「すみません。大丈夫です。シェリルが起きて良かった。」
と言い、去って行った。
プルルルルル プルルルルル
「テイラー、電話に出てくれ!」
応答しない。
プルルルルル
「ゼリオ電話に出てくれ!」
ジュリマックは、事件であれば足取りを追うはずだが、今回は何故か家に向かっていた。
『なにをやっているんだおれは!』
自分の行動に理解できず、窓ガラスを叩くと、
バキバキバキ
無惨に割れた窓ガラスに、ため息をついた。
「もしもし?」
「ゼリオ!俺の気が狂ってしまったのかも知れないが、まずいことが起きた!今すぐ家に来れるか!?」
「ジュリ、どうした!?落ち着いてくれ!すぐ向かうよ。」
ジュリマックが家に着き、すぐに金庫を確認すると、
「開いている…」
母の箱が開いていた。
箱の中には、見たことのない上質な紙が入っており、表紙に見たことのない字でこう書かれていた。
【我らの記憶を持つ者を導いてくれ。】
『我らの記憶?さっき見た記憶のことか?』
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