刑務所編10
ブィーンブィーンブィーン
「はい、マクラーレンです。早速何かありました?トニーさん」
「はい、早速ありました。今回、彼に助けられたのですが…」
トニーはゼリオとsix deadのボス、セインが暴動を納め、ゼリオとセインが友好関係であることを話した。
「幸い、暴動も始まって間もなかったので、死者も出ず、大事に至らなくてよかったです。これも彼らのおかげですよ」
トニーはコーヒーを淹れがら語った。
『また随分と大物な男とパイプを持ったもんだ…飽きさせない男だよ』
ジュリマックはタバコを吸いながら心の中で笑った。
「ギャング間の状態はどうなのですか?」
「はい、それも彼らのおかげで落ち着いています。」
「そうですか、良かったです。他に何かありますか?」
「少し不思議な事がありまして…ゼリオのことでは無いので、特に報告することでもないとは思ったのですが…」
医師の治療を受けるはずだったセインがいつのまにか元気になっていた事を伝えた。
「もしかしたら、ゼリオはルシファーなのかも知れませんね。」
「ルシファー ですか?」
「はい、地獄に堕ちた天使様です。」
ケンブリッジにある科学研究所
「この棺を調査できるなんて、本当ラッキー!!」
教科書にも載っている棺を前に、研究員のテイラー・ヨコカワは心を震わせていた。
「おいおい、興奮するのはわかるけど、しっかり頼むよ」
テイラーの上司、カールは笑いながら手袋をつけた。
「さて、始めようか、皆んな」
今回の調査は、どのような方法で壊したかを調べることであった。
「カール!ここ見て。」
断面を指差し、
「壊したと言うより、開けたって感じがしない?」
「ん〜、こんな複雑に開く棺なんて見たことないよハハハ」
「形からして棺と言われてるけど、何かは不明なままよ」
「人が出て来たんだ、棺に決まってる!」
カールのジョークにチームが笑った。
チームは様々な機器を用いて、徹底的に断面を調べた。
「いつになったらわかるんだ?もう調査を打ち切るしかないな。」
調査開始して1ヶ月、役人から調査が進まない研究員へ通告があった。
「待ってください、あと1週間、いや、3日ください!それまでには!」
テイラーの必死な交渉の甲斐があり、3日間の有余を貰えた。
交渉から3日後。
「テイラー、残念だったよ。僕も、チームも本当に残念に思う。」
「まだ私は諦めてない。」
「そうか、棺の回収は明日8:00。それがリミットだ。私達は先に上がらせてもらうよ」
ラボにはテイラーのみとなった。
時間だけが過ぎる。
「あなたはなに?正体を教えて?」
手袋を外して、棺に手を置き、話かけた。
何か不思議な感覚に落ち入りながら、眠りについてしまった。
「いけない!!」
時計は4:00を指す。
「時間が無い!」
棺に目を向けると、内側に目がいき、
『ん?こんなのあった?これは…文字?』
研究者であるため、多少の古代文字にも精通していたが、明らかに見たことがない文字であった。
文字の解読は、今回の目的とは違うため、
彼女は急いで私用のスマホで写真を撮った。
「タイムオーバーだ。」
回収後、ラボでカールにスマホ見せ、
「カール、この文字見たことある?」
「どこに文字があるんだ??」
と、笑いながらいい、
「少し寝た方がいいぞ」
と、肩を叩いた。
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テイラー→小芝風花さん
カール→ ジョン・ファヴローさん
のイメージで書きました。