黒幕編02
「シェリルという子は優秀だな。」
ジュリマックはシェリルについて調べていた。
「精神疾患をもつ患者のケアに貢献。トラウマを癒す少女…か。」
病院での彼女の評価を読んでいると、違和感を覚える。
『six deadは彼女を守れと言われた以上、露出を避けさせるはずではないのか?』
ゼリオはRancherのボス、チャドの家を訪れていた。
「初めまして、Mr.チャド。」
「ロブソンさんから聞いてるよ。シェリルに会いに来たのだろ?けど、娘は体調崩しているんだ。」
「そうだったのですね。申し訳ありません。それでは日を改めます。」
ゼリオがソファから立ち上がると、
「そんなの、いつになるかわからない。」
チャドは拳を強く握った。
「どういうことですか?」
「娘は、あの時と同じように眠ってしまった。
ゼリオさん。貴方の血をわけてくれないだろうか。」
「血?ですか?」
ゼリオは唖然とする。
チャドは気にせず語り始めた。
「私の妻、ライラがシェリルを身籠っている時、彼女は事故に合い、意識を無くしてしまった。子の出産を控えたある日、ある人物から赤い液体を渡され、こう言って来た。[ライラに贖いの血を飲ませろ。]私は、希望だと思った。それを飲ませると、ライラは目を覚ましたんだ!」
急に興奮気味になったが、すぐに悲しげになる。
「結局、医師から体力の問題で、母と子、命を選べと言われたけどな。」
そして、声に力を入れて言った。
「その赤い液体は、君と同じ黄金の血だったのだ。」
「黄金の血…。シェリルが前に起きた時も血を飲ませたのですか?」
「そうなのかも知れない。ロブソンさんから頂いた血を飲ませたからな。」
『健康診断の時に抜いた血を盗んだのか?今はそんなことどうでもいい。』
「血を持って来たある人物は、どんな姿をしていましたか!?」
「病室のドア越しに話したから姿は見なかった。私も気になって調べたが、わからなかったよ。」
ゼリオとチャドは、シェリルの部屋へ。
『贖いの血か…。とりあえず魔法を試してみたい。』
「すみません、血を飲ませる時、見ないでもらってもいいですか?」
チャドは変に思ったが、機嫌を損ねないためタオルで目を覆った。
治癒魔法をかける。起きない。
解毒魔法をかける。起きない。
『駄目だ。本当に血で起きるのか?』
どのくらいの量かわからなかったが、血を飲ませた。
「希望の我が娘よ。」
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