MAP POINT編05
クラリスは、流暢な英語で説明を始める。
「知っての通り、フランスとイギリスは歴史的問題で仲が悪いわ。けど私達は、お互い似た伝承があったの。」
『まさか、クラリスさんまで片目眼帯系なの!?』
テイラーは、痛い子をみるようにクラリスを見た。
「six deadの伝承は知っています。」
「なら、彼らの話しは不要ね。うちの伝承を話すわ。bbの名前の由来は、【boîte brillante】英語では、【shining box】輝く箱。」
『やっぱりそうだわ!間違え無い!』
テイラーは片目を抑える。
「原初の悪が生まれ、悪は世界に負をもたらした。神は怒り、神罰が降ろされようとした時、1人の女性が現れた。その女性は愛を訴え、いつしか神は女性を愛し、子を授かった。だが、神は知ってしまったのだ。その女性が悪の兄弟だと。神は怒り、悪を滅ぼし、女性を手にかけた。女性は死に際、神に言った。「それでも貴方を愛してます。」
神は女性の愛を思い出し、嘆き悲しんだ。
子に神の力を与え、子に神の箱を与えた。
その箱が【boîte brillante】」
「片目がうずくわ。」
テイラーは誰にも聞かれない声で呟いた。
「その箱とは、どんな箱かわかりますか?」
ゼリオの質問に、クラリスは頭を横に振る。
「では、この伝承から変な人物に何かを頼まれたことはないですか?」
「それは無いけど…」
クラリスは、悲しげな顔し、
「ちょうどこの場所で、お父様がこの話をしてくれたのだけど、その次の日、お父様が殺された。」
「誰にですか!?!?」
「ただのチンピラだったわ。部下があらゆる方法で、なにか隠して無いか探ったけど、何も出てこなかった。」
「失礼なことをお聞きしました。ご冥福をお祈りします。」
ゼリオはクラリスにハグをした。
車を走らすと、ゼリオはテイラーに
「様子がおかしかったけどどうしたの?」
と聞くと、
「ごめんなさい、悪ノリが出ちゃって。」
手で顔を隠して恥ずかしそうにするのだった。
「これからジュリのとこに行こう。まだ間に合いそうだ。」
「いい考えね!今日の話もしたいし!」
夜の高速の道を眺めながら、これまでを振り返ったテイラーは、ボソッと呟いた。
「なんだか、怖いくらい順調だわ。」
「なにか言った?」
「んーん。なんでもない。」
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