血統編01
「その一族にはごく稀に、邪を見渡す目が現れると聞きました。それがプロビデンスの目だそうです。その目は戦士を呼び覚まし、血約から邪を滅ぼす使命を授かるだとか。」
ティーカップを持ち上げ、一口飲み、
「私が知り得るのはここまでです。昔、知らない方から聞いた話なのであやふやですが…。」
と、紅茶を置いた。
「彼女らで言うと、マリアンがプロビデンス目、エセルが戦士?」
ゼリオが、考えを巡らすと、
「この話が本当なら、そうなると思う。マリアンが邪を見てリリスを描き、呼び覚まされたエセルが戦士を描いた。なんだか鳥肌がたったわ。」
テイラーは、その考えを肯定した。
「邪は、悪魔を表すんじゃないか?
マリアンが悪魔を見たことで魂の記憶を見て、エセルがrib wreathの計画を警告した。」
「それであれば話が繋がりますね。ですが、いかんせん、確証を得られるものがありません…。せめて私が、プロビデンスの目について話した人物を知っていれば…。」
「ジュリーが持っていた箱が手がかりになるかも知れない。」
テイラーは、ぼそっと呟いた。
「箱?」
「ゼリオ、行きましょう!気になることがあるの。」
テイラーは急いで帰り支度を始め、
「モーガンさん、ごめんなさい。また来ます!ご馳走様です!」
といい、足早に博物館を後にした。
「面白い話を聞きました。」
1人紅茶を嗜むのだった。
「どうしたんだ、テイラー!?」
「ジュリーって、相手を見極めるのに長けてるじゃない!?そんな彼が、目のレリーフがついた古い箱を持っていたの!」
「ジュリがプロビデンスの一族だって言いたいのか!?」
「その箱はいつの時代のものかもわからなかった。もしその箱が、彼の家系で伝わった物だとしたら、彼はプロビデンスの一族よ!」
ゼリオとテイラーは、ジュリマックに会いに車を走らせた。
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