悪魔追究編09
「そういえば、車でちゃんとしたデートするの初めてね。」
テイラーとゼリオは、久々のデートをしていた。ドライブ中、たわいもない会話をしていると、ゼリオが教会に行った話をしたのだった。
「神父様は、記憶は魂にも刻まれるとおっしゃっていた。エセルとマリアンは魂の記憶から、同じ何かを、見たんじゃないかな。」
「近しい2人が、同じ何かを共有したことで、絵のメッセージが繋がったってこと?」
「あぁ。2人の生き変わる前の記憶が、rib wreathと繋がってたのかもしれない。」
「そう考えると、彼女達が悪魔と関係していた可能性を、広げることができるかも知れないけど、事象的じゃないから、なんとも言えないわ。」
「私自身、感じたんだ。悪夢の正体は、魂に刻まれた人々の憎の呪いなんだって。」
人々の涙を思い出す。
人々の血を思い出す。
人々の死を思い出す。
そして、人々の憎しみを思い出した。
「私は多くの傷を見てきた。けど、それはほんの一部で、何世代も続いた戦争は、数えきれないほどの心の傷を生んでいた。悪夢で見ていた光景はこれさ。だから、私は魂の記憶を信じる。」
テイラーはシフトレバーを掴むゼリオの手に、手を覆い被せた。
「あなたが言うなら信じる。悪夢の原因がわかってよかったわ。」
「ありがとう。テイラー。」
「あの頃のあなたはきっと、その憎の連鎖を止めたかったのね。」
その言葉にゼリオは目元に涙を溜めた。
「あぁ」
「最近のあなた、涙もらいわよ。」
テイラーは微笑み、ゼリオの目元を拭うのだった。
「でも、連鎖を止めたのは私の父だ。」
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