悪魔追究編04
ゼリオはユーサー王の言葉を思い出し、考え事を始めた。
『魔法族とフリタニア人、魂の経験の違い…』
すると、グリフィスを亡くした戦争が、頭を過ぎり、ゼンフィスとの約束を思い出す。
【約束する。私が戦争を終わらせる。】
『私達の魂の経験は争いなんだ。魔法族は何世代も続いた争いで、愛が憎に変わってしまった。つまり…』
悪夢の端緒を掴み取る。
悪夢とは、争いが生んだ人々の憎の呪いだと。
戦争による魂の傷を知り、心が締め付けられる感覚に陥っていると、自分の言葉を思い出し、気づいた。
【母の愛のように人々を愛したい。】
自分の愛は、人々の憎を、愛に変えたい想いなのだと。
「いい顔してるじゃないか。」
神父様は微笑んでいた。
「神父様、私が頑張っていたことは、間違ってなかったようです。」
神父は、優しく頷き、ゼリオを導いた。
「愛を全て受け入れる必要はない。受け入れきれない愛は、神に助けを求めなさい。神はどんな愛も受け入れ、救って下さる。」
「神は御心が広いですね。」
ゼリオは十字架を見つめた。
そんなゼリオを見て神父は、ゼリオに命じた。
「今度は君が、私の助けになってもらうか。」
「え、神父の助けですか?」
「この後、悪魔に取り憑かれている人が来る予定なんだ。悪魔祓いの手助けを頼みたい。時間は平気だろ?」
半ば強制的に、ゼリオの参加が決まった。
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