黒猫と白いライオン編03
「こんにちは、ゼリオさん!」
エイミーはゼリオの腕にくっ付いた。
「エイミー!そんなことするな!」
店長はため息をついて、複雑な顔をしながらどこか行ってしまった。
「ゼリオさん、どうやったらあんな風にお客さんから喜んでもらえるんですか!?」
多少のズルはしつつも、あの頃の経験を活かして働いていたゼリオは、伝えられる範囲で話をした。
「相手の気持ちになるといいよ。」
「相手の気持ちですよね…それは考えてるんです。けど…相手に気持ちが届かないって言うか…響かないって言うか…」
「気持ちを届けようと思っても、相手は受け取りたいとは思ってない。それは[やってあげてる]になってしまう。
受け取ってもらうには、相手の未来に届けるんだ。」
「未来?難しいよぉ〜」
エイミーは口を膨らませた。
「例えば、日本人は食べ物をシェアする文化があるから、シェア用のナイフフォークと、皿を渡すとかね。」
「そんな知識ないも〜ん。」
営業を開始すると、少し異様さを感じる。
「店長、客層が若い人増えてませんか?」
「そうなんだよ…」
「お待たせしました!スパイシーチキンです!辛いの好きそうなあなたには、辛さマシマシにしました!」
「さすがエイミーちゃん!今度一緒に飲みに行かないかい?」
「そのチキンを食べきれたらね?」
「辛っれぇーーーー!!」
その様子を見たゼリオは呟いた。
「君は十分、喜ばれてるよ…」
店長はため息をついたのだった。
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