刑務所編07
ギャングのほとんどが薬物中毒になっており、まともな判断力を有していなかった。
薬物使用の理由は単純明快。【解放】
アッパー系ダウナー系関わらず、彼らは解放を願っていた。
ゼリオは、どこの誰だか分からないが、酷く薬物中毒だろう青年に目を止めた。
「特にひどいな」
不便に思い、話かけた。
しかし、返答はなく、まさにゾンビ。
「うぅ〜 あ゛ぁ〜」
「しょうがない。」
周りに誰もいないことを確認し、
彼に回復と解毒の魔法をかけた。
「ここは?、君は誰??」
先ほどとは打って変わって、爽やかなになった青年は、目に光を取り戻した。
「あまりに辛そうだったから…その…そう!解毒剤を打った!だが、このことは内緒にしてくれるとありがたい。」
この世界に置いて、瞬時的な体の回復や毒の浄化は、あり得ない事象。
起こり得ない事象が起これば、トラブルが起きるなんてことは想像に難くない。
だが、見て見ぬふりができなかった。
「神様…」
ゼリオに向かって言い放った。
「神か、そう言われるのも悪く無い。けど、僕はただの人間だ、どう、大丈夫??」
「はい、生まれ変わったかのようです!空が、太陽が、全てが素敵に見えます!」
「このことは絶対に秘密だ。」
「お約束します!僕はセイン・フットマン。お名前をお聞きしてもいいですか!?」
「私は、ゼリオ。何故か皆んなからばゼリーって呼ばれてるよ」
このまま彼を返しても、また薬物中毒になってしまうと考え、少し会話することにした。
「何で薬なんてものに手を出したんだ?」
「その…僕は家族が嫌だったんです。いや、あんなの家族じゃないです。なんでも強要し、自由は無く、奴隷と一緒です。そんな時、兄の薬を見つけてしまって…」
「良くも悪くもここは刑務所、家族とは離れてられたんじゃないのか?」
「兄が居るんです。この中に。その兄から僕は逃げられない。」
「じゃあ私と一緒にいるといい。兄といるよりいいだろ?」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
『やっぱ私はお人好しだな』
「ゼリー、遅かったな、そのガキは誰だ?」
既にゼリオ以外が集まっているRancherの集会でボスのボマーが聞いて来た。
「ちょっとあってね、彼は…」
名前を言う前にセインが横から
「僕はケイン!、ゼリオさんに危ない所を助けて頂き、付き人になることに決めました!よろしくお願いします!」
『ちょ、何を勝手に!それに偽名??あぁもういい!話を合わせよう』
「そう言う訳だから皆んな、よろしく、はははは」
「お前、男が好みだったのかよ!!俺等のケツもあぶねーな!!ハハハハハ!!」
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セインまたはケイン→トム・ホランドさん
のイメージで書きました。