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エバーシンス  作者: k-ta
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 キッチンで水の流れる音がしている。洗い物をしているようだ。相変わらず、綺麗好きで几帳面だなと思いながら、暖かい布団にしばらくくるまっていた。少しして、ガバッと起き上がった。

「何時?」

「8時。あーよかった」

立ち上がって、トイレに向かう。

「結城さん、やっぱ、布団が最高でした」

「お前さぁ、同じ布団に入るとか、まじきもいことやめろよ」

「キモいって。あんなん普通でしょ」

「学生時代じゃないんだぞ」

「だって寒いからしょうがないじゃないか」

「暖房つけて寝りゃいいだろが」

「だって暖房つけて寝たくないって言うから」

「凍えるほど寒いなら、何振り構わずつければいいだろ。なんで普段は図々しいのに、そこだけ遠慮したんだよ」

「一応気を使ったのに、どうしてそこまで、朝からしかも新年早々言われないといけないんだよ」

「誰に口きいてんだ?だったら、帰れ。2度と家に来るな。荷物も全部持って帰れ。帰らないなら、全部捨ててやる」

「わかりましたよ!すぐ出て行きますよ。小さいことで愚痴愚痴愚痴愚痴」

「早く黙って出て行け」

その声色から、本気だとわかった。いつもと様子が違う。でも引き下がれない。福岡はわざわざ大きい音を立てながら帰り支度を始めた。結城も食器洗いを乱暴にしている。もう引き下がれなくなっていた。福岡は胃もムカムカしながら、結城の器の小ささに腹が立ちながらも、結城が本気で怒っているのがわかった。確かに知り合って、半年も経ってないのに、距離の取り方を間違えていたのかもしれない。いや会った時からずっと距離感を間違っていたのに。どうして今更。支度を終えて、玄関にむかった。

「おじゃましました」

と、言っても返事はなく、水流れる音だけが聞こえていた。


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