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すぐ隣に寝息が聞こえる。本当にすぐそこに。ベッドで寝たとこまではしっかり覚えている。どう考えても、同じベッドにいるのがわかった。しかも同じ掛け布団に潜り込み、自分のあばらの上に、腕がのっかっているのがわかった。顔を近づければ、顔同士が触れ合ってしまう。福岡が近い。こんなことをされたら、俺は。理性と煩悩の間で揺れる心の中で、とにかく、この触れている体をこのまま維持していたかった。福岡の顔をここまで近くに見たのは初めてだ。ずっとこうしてられたらどんなに幸せだろう。でも福岡はゲイではない。普通に女性が好きで、こんな状況、目覚めたら気持ち悪くてしようがないだろう。だから、もう離れてしまわないと。ここで拒絶され、邪険にされたら、もう立ち直れない。でもあと少しだけ、ほんの少しだけ、このままでいさせてください。もうそれ以上は求めないから。祈るような気持ちで、福岡の寝顔と温度を感じていた。
初めて会った日から、ずっと好きだった。




