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「おはよう」
「あっ、水上さん、おはようございます」
「朝から、ずいぶん賑やかな子ね」
「あー。営業部の新入社員の子です」
「なんか、結城君が、若い子と話してる姿が新鮮だった」
「確かに、あんまり話さないですもんね。井上さんたち繋がりで知り合ったんですよ」
「そ。でも安心した。若い人とも、話せることがわかって。これで、他の広報の子たちも結城君と仕事しやすくなるかも」
「そんな大袈裟な。だから、いつも水上さんが僕のところに来てたんですか?」
「そうよ。みんな嫌がってたから」
「嫌がってるって」
「嫌がってるは言い過ぎか。とにかく話しづらくて、怖いみたいよ」
「話づらいはわかりますが、怖いんですね。やっぱり」
「自覚はあったのね」
「まあなんとなく、あのさっきの福岡って言うんですけど、あいつも怖かったって言ってましたもんね」
「あいつ。ずいぶん仲良くなったみたいね」
「んー。仲良いのかなぁ。ただ、あいつ新入社員っぽくないんですよ。老けてるというか。話が俺らと合うみたいで」
「そ。まっとにかく、人間らしさがみえてよかった。ロボットじゃないのがわかって」
「ロボットって、凄い言われようだなぁ」
「表現はどうかと思うかもしれないけど、極端に言えばそんな感じよ。んで、そうそう。今度のファイルの新商品のロゴなんだけど、これ商品化の前にまたリサーチして欲しいの。もう課長には了解済みだから、動いてくれる?」
「商品の使用感はクリアか。じゃあ、デザインとかフォントですね。デザイナーさんからの案があるんですか?」
「デザイン部からの案もあるんだけど、煮詰まってるみたいで、どんなフォントや、デザインに食いつきがいいかリサーチからなの」
「へぇ、煮詰まってるとか珍しいですね。では商品は伏せて、デザイン、フォントはどんなものに興味があるか調べてみるといいですね」
「リサーチの対象年齢は?」
「ちょっと待って。資料持ってきてるから」
「じゃあ、とりあえず資料見せてもらっていいですか?」
「それからスケジュール調節しましょう。うーんと。14時頃までに、メール送りますね」
「話が早い。わかった。連絡待ってます。じゃあよろしくお願いします」
「はい」
急な仕事で、忙しくなるのに、気持ちは上がっている。




