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エバーシンス  作者: k-ta
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 部屋の電気をつける。荷物を投げ、とりあえず、横になりたい。と思いながらも、それができない。まず靴下を脱ぎ、ズボンを脱ぎ、風呂場に向かい足を洗い、洗面所で手を洗う。ズボンをハンガーにかけ、ワイシャツをクリーニング屋の不織布の袋に入れる。肌着と靴下パンツは洗濯機に投げ込み、洗濯機の中が溜まったから、スイッチを入れ、洗剤を入れる。やっと横になれる。テレビの電源を入れ、ステテコとTシャツをクローゼットから引っ張りだした。やっと横になれる。あっ、尿意がある。トイレに行き、済ませて手を洗い、冷蔵庫から、お茶を出し、コップに注いだ。注いだ時に流しの中に朝の洗い物の残骸が目にはいる。後で後で。やっと横になれる。ん〜やっぱ洗ってすっきりさせてからじゃないと、ずっと気になる。台所に戻り、洗い物を済ませる。やっと横になれる。ふとベランダに目をやってしまった。あー洗濯物とりこんで畳まないと。次干す時に困る。洗濯物を取り込みわ畳んで所定の位置に戻す。やっと横になれる。帰ってきて、20分くらいの出来事が本当に長くて、嫌になる。この性格?性質をなんとかしたい。ダラっとしながら天井を仰いだ。いつの間にか、目をつぶっていた。

 帰って、雑用を終え、この瞬間が1番リラックスできる。一人暮らしの特権だ。もっとも自由な時間、もっとも自由な空間。このままこの時間と空間が続けばいいのに。人間関係のない、1人だけの時間が幸せだ。仕事は嫌いではない。むしろ好きだ。でも仕事がなくてもいつまでも、ダラダラと過ごせる自信もある。休めるものなら休みたい。人と接することがなければ。あの頃から、人嫌いだ。かといって、逃げたわけではない。ずっと違和感を抱いていた原因に気付いた時には、自分には真実を明かせるような親しい人間関係を築けていなかったことに、この感情はなんと表現すればいいのだろう。絶望ではない。虚しい。切ない。辛い。んー違う。そうではない。自分のことを絶対に知られたくないと思った。自分でも理解できないことを理解して欲しいわけではない。そのことはなかったことにして、親しい間柄が欲しかった。そんな人に巡り会えたらという期待感とそんな人に出会えるはずがないと諦めが入り混じって、考えれば考える程、答えがないことを知っていく。まるで砂山の頂上を目指して、もがき続けている心境だった。と、こんな独りよがりで、自分だけが不幸だと落ち込んでいた時期もあった。それから世の中を知れば知るほど、同じ悩みをもった人がいることに気付き、同じ悩みでも、気にせず明るく過ごしている人間もたくさんいる事を知り、気持ちは楽になった。そして、その世界に足を踏み入れてしまった。

 そこから、自分の中で二極化が進んでいった。


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