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神選組異聞録  作者: ぱったりくん
第一章
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2

「やああぁぁぁっ!」


 先手必勝。気勢を上げ、空也が仕掛けた。左肩を突き出し、両腕を後ろに引いたいわゆる脇構えだ。そのまま左右の歩幅を変えながら、するすると剣崎に接近し──


 ──桜炎舞刀流歩法壱式<舞進まいしん>。


 間合いに入るや否や、急速に重心を下げた。前傾姿勢で攘異刀を振るう。


 ──桜炎舞刀流守乃型参式<枝垂れ桜>


 脛を狙う下段薙ぎ払いに剣崎も反応した。床を蹴る。後方へ跳躍した。


(もらった!)


 空也の瞳がギラつく。空中では逃げ場がない。刀が迫り上がった。薙ぎ払いから突きへと変化。


 瞬きする間もない。空也は腕をコンパクトに畳む。心臓へ鋭い突きを放った!


 体重の乗った突きとは違う。速度重視のコンパクトな突きだ。


 と思いきや引き潮のように、一瞬で刃が引き戻され──


「らあっ!」


 津波のように、空也は怒濤の三連続突きを繰り出した! 柄頭の限界まで握り、間合いを変えるおまけ付きだ。


 ──桜炎舞刀流破乃型<矢重桜やえざくら三連(みれん)>。


 柄の握りで間合いを変え、緩急をつけながら放つ三段突きだ。


「くっ!」


 剣尖が伸びる──そんな錯覚すら覚

         .....

え、たまらず剣崎は空を蹴った。そのまま悠然と床に着地する。剣崎の黒髪が、翼が閉じるように、背中を流れ落ちた。


「………」 


 一瞬の攻防後、二人は無言で対峙する。松級の序列一位──格上相手に空也は善戦いや、押していると言っていいだろう。


(今何しやがった?空を蹴ったように見えたが……)


 だが、空也は内心焦っていた。守破離というように、桜炎舞刀流に於いて破乃型は、奥義級の剣技だ。離乃型いわゆる絶義には及ばないものの、奥義を躱されたのは痛い。しかも謎の挙動。もし、剣崎涼音が空を駆けることが出来るというなら──


「──良いでしょう。遊びは終わりです」


 剣崎の言葉が空也の思考を遮った。間髪入れず、正眼に構えながら、玲瓏な声で囁く。


「第二剣限解放──<限定解刀>」

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