神の国を侵略した龍《ドラゴン》 14
と言っても、中に入ってた千羽鶴は、実際は百羽鶴ぐらい。おまけに、女神隊員はその意味がわかりません。とりあえず女の子にこう言いました。
「あ、ありがと!」
その発言を聞いて女の子は満面の笑みを浮かべました。
女神隊員はふと前章で海老名隊員に言い放った緊迫のセリフを思い出しました。
「もしバレたら、巨大化して、できるだけたくさんの街を壊して死ぬ! もうその覚悟はできてるから!」
そして思いました。
「あのとき、暴走しなくってよかったあ・・・」
もう登校の時間は過ぎてます。子どもたちは三々五々消えていきます。
「それじゃ、またね~!」
小学生たちが女神隊員に手を振って去って行きます。その小学生に女神隊員は手を振って応えました。
「ありがとう、またね!」
小学生たちが去って行きました。が、報道カメラマン(パパラッチ)たちの撮影は続いてました。
「ヘルメットレディさん、身体の具合は?」
「ヘルメットレディさん、ヘルメット取って、顔を見せてくださいよ!」
なんて声も響いてきました。女神隊員は慌てます。
「ええ・・・」
女神隊員は思わず振り返りました。するとそこには、2人の男性医師が腕を組んで立ってました。
「困りますねぇ、あなたは今重度の脳震とうで入院中なんですよ」
「おとなしく病室に戻ってください!」
2人の男性医師に厳しく言われ、女神隊員は恐縮しました。
「あは、すみません・・・」
ここは郊外の病院、いや、診療所です。小さい個人経営の診療所のようです。今ここの病室のベッドで1人の女が目覚めました。
「うう・・・」
女はあたりを見渡し、
「こ、ここは?」
女は怪獣に変身してた女でした。まだかなりきついようです。それでもなんとか立ち上がろうとしました。けど、立てません。
「立てない。くっそー・・・」
「どうした?」
その突然の声に女ははっとしました。ドアのところに医師らしき人影があります。男性にも女性にも見える医師。髪はショートだけどポニーテールなところを見ると女性のようです。ただ、胸はまったく膨らんでません。年は30歳前後か? 女医さんらしく、メガネをかけています。
女はその女医さんにぶっきら棒に質問しました。
「あんた、誰?」
「小林クリニックの医者」
「なんで私はここにいる?」
「昨日うちに運ばれてきた」
「なんで?」
「覚えてないのか?」
女はうなずきました。
「まあ、覚えてないだろうなあ・・・ 昨日渋谷に怪獣が出た。これは覚えてる?」
「覚えてる」
「あんたはガレキの中から発見された。これは覚えてる?」
「なんとなく覚えてる」
「ここからかな、覚えてないのは? あんたは救急車に乗せられた。でも、他の病院はどこも満ぱいで、ここまで運ばれてきた」
「そして一晩ここで過ごした」
「正解」
女医さんはここでちょっと時間を置き、発言しました。
「あんた、地球人じゃないよね。内臓の構造が私たちとまるっきり違う」
女は特に反応しません。女医さんは言葉を続けました。
「残念だけど、私はテレストリアルガードか警察に通報する義務がある」
女は不快な顔を見せました。
「やめて!」
「やめてと言われてもねぇ、これは義務なんだ。もし通報しなかったら、私、医師免許取り上げになっちゃうんだ。明日から喰っていけなくなるんだよ」




