神の国を侵略した龍《ドラゴン》 11
ストーク2号のコックピット。上溝隊員が隣りの席の海老名隊員に命令です。
「ジェイダム爆弾発射ーっ!」
「了解!」
海老名隊員がコンソールのボタンの1つを押しました。
ストーク2号の腹のハッチから4つのミサイルが同時に発射されました。それが怪獣の身体に全弾命中。大きな火花が散り、怪獣が悲鳴を上げました。
「ぐわーっ!
このーっ、ぶっ殺してやるーっ!」
怪獣は口の中に炎を溜め込みます。上溝隊員は実戦経験があまりありません。そのせいかストーク2号は逃げる様子がありません。ヘロン号のコックピットの橋本隊員はそれに気づきました。
「ちっ! 上溝、逃げる気がないのかよ!?・・・」
怪獣は火焔を吐く寸前に。
橋本隊員は手元のボタンの1つを押しました。
「させるかーっ!」
ヘロン号がミサイル2発発射。それが怪獣のうなじに命中。ドバーン!
「うぐっ!」
怪獣は火焔を吐くものの、それは足下にでした。怪獣はその反射熱を思いっきり浴びてしまいました。
「うわっ・・・ くっそーっ!」
ストーク2号の上溝隊員が再び海老名隊員に命令します。
「バンカーバスター発射!」
「了解!」
海老名隊員はコンソールのボタンを再び押しました。
ストーク2号はまたもやミサイルを4発同時発射。そのすべてが怪獣の身体に突き刺さりました。ワンテンポ置いて大爆発。これはそうとう強烈だったらしく、怪獣は今までにない悲鳴を上げました。
「うぎゃーっ!」
もうもうとした爆煙が晴れると、そこには怪獣の姿はありませんでした。それを見て橋本隊員は驚きました。
「き、消えた?・・・」
女はゆっくり眼を醒ましました。怪獣に変身してた女です。今は人間体に戻ってます。女は身体のあちらこちらから出血してたようで、全身血だらけになってます。女はコンクリートのガレキの中に倒れてました。自分が壊した街のガレキです。
女はぼーっと空を見上げてます。
「ああ、私はやられたのか?・・・」
太陽の光が彼女を晒します。
と、ここで2人の男性が通りかかりました。服装からして2人は消防隊員のようです。うち1人が女に気づき、指を差しました。
「お、おい、あれ!?」
「ああ!」
2人は女に向かって駆け出しました。
「おーい!」
2人の消防隊員が女の身体に到達しました。
「安心しろ。いますぐ病院に連れてってやるからな! しかし、変わった格好だなあ。劇団員か?」
女はまだぼーっとしてます。が、2人の消防隊員のうち1人が手を差し伸べると、はっとしました。
「さあ!」
パシリ! 女はその手を叩きました。
「いらん!」
2人の消防隊員はその女の行動にびっくり。
「ええっ!?」
女は立ち上がると、
「ほっといて!」
と怒鳴って、歩き始めました。2人の消防隊員は、
「お、おい!?・・・」
けど、助けを待ってる人は他にいるかもしれません。
「しょうがないなあ・・・」
と言って、女とは別の方向に去って行きました。
ガレキの中を歩く女。その足取りはかなり重そう。漏れてくる息もかなりきつそうです。
「くっそーっ、痛い、全身が焼けるように痛い・・・ こんなに痛めつけられたのは、いつ以来だ?・・・
どうやって帰ろう。ふふ、神の国を侵略した罰かな?・・・」
女の耳にふと異音が聞こえてきました。女が顔を上げると、ヘリコプターが飛んできました。




