前方の敵後方の敵 18
それを遠くから見ている女神隊員。女神隊員は今あの場所にテレポーテーションして、巨大化して、あの3人を踏み潰したい気分になってます。
もちろんそんなことはできません。そんなことをしたらテレストリアルガードクビになる上に、集中攻撃を喰らってしまいます。もう痛い目はまっぴら御免。女神隊員はまだ自分の命がかわいいのです。
でも、女神隊員はまだ諦めてませんでした。
「じゃあな!」
と言うと、入谷隊長、宮山隊員、番田隊員はペリカン号に向かって歩き始めました。
「ちょっと待ってくれ」
香川隊長は3人を呼び止めました。香川隊長は入谷隊長の側に行き、横目でペリカン号の乗員2人を見ました。
「さっきの話の続きだが・・・ あの2人は謝罪派か? それとも暗殺派か?」
「さあな。忘れた」
「そっか」
3人は再び歩き始めました。香川隊長はもう1度ペリカン号の2人の乗員を見ました。そしてぽつりとつぶやきました。
「もし謝罪派だったら今のうち謝っとく。すまないことをしたな」
ペリカン号が滑走路を走り始めました。そしてそのまま空中へ。
3階建てのビルの中、低身長の海老名隊員が標準より背が高い上溝隊員の顔を見上げました。
「行きましょっか」
上溝隊員はうなずきました。
「うん」
2人は部屋を出て行きます。けど、女神隊員はその場に立ったまま。海老名隊員はそれに気づき、振り向きました。
「女神さん、行きましょ!」
女神隊員は黙って振り返りました。
ビルの廊下。上溝隊員と海老名隊員が歩いてます。その少し後ろを女神隊員が歩いてます。女神隊員の足取りは重いようです。
と、海老名隊員はふと何かを感じ、急に立ち止まりました。その顔はみるみるうちに青ざめて行きます。上溝隊員がそれに気づき、立ち止まり、振り向きました。
「ん、どうしたの?」
海老名隊員は作り笑いを見せ、
「い、いや、なんでもないですよ」
上溝隊員は頭に?を浮かべましたが、再び歩き始めました。でも、海老名隊員はその場につっ立ったままです。女神隊員も海老名隊員を素通りして行きました。当の海老名隊員ですが、かなり深刻なことを考えてるようです。
それから数分後、引き分けの自動ドアが開き、上溝隊員がサブオペレーションルームに入ってきました。中では香川隊長がテーブルに座ってました。上溝隊員は上溝隊員に気づき、
「あれ、隊長、もう帰ってきたんですか?」
隊長は上溝隊員を一べつし、
「あ~ すまないなあ。今から大事な連絡をしなくっちゃいけないんだ。ちょっと退席してくれないか?」
「あ、はい・・・」
と言うと、上溝隊員は振り返り、再び自動ドアを開け出て行きました。
部屋に残った隊長は、ふと壁を見ました。その壁の中央には大きな穴が開いてました。そう、女神隊員が開けた穴です。
危険防止のためでしょうか、中の鉄筋の切断面には、ビニールテープが巻かれてました。それを見て隊長は、なんとも言えない笑みを浮かべました。
ここで再び自動ドアが開き、今度は海老名隊員が入ってきました。
「隊長・・・」
隊長が海老名隊員の顔を見ると、かなり深刻な顔をしてました。
「ふ、どうした? 何かあったのか?」
「隊長、やめてください!」
隊長は視線をそらすと、微笑みとも苦笑いともとれる笑みを浮かべました。
「ふ、もう気づいたか。ふふ、さすがえびちゃんだな」




