前方の敵後方の敵 12
ストーク号のコックピット。隊長の命令です。
「よし! ジャンプ!」
寒川隊員が応えます。
「了解!」
ヘロン号のコックピット。口にホースのついたマスクを、眼にヘルメットのシールド(ヘッドアップディスプレイ)を降ろした橋本隊員も応えます。
「了解!」
ストーク号とヘロン号が同時に消滅しました。
先ほどの野原です。警官隊やマニアたちが逃げ惑ってます。
「うわーっ!」
「助けてくれーっ!」
が、相手は見えません。と、今1つの小屋が見えない脚に蹴飛ばされ、その破片が空中に舞いました。それがマニアたちに降り注いでます。マニアの1人は思わず大きな声をあげてしまいました。
「なんなんだよ、これーっ!?」
こんな緊急時なのに、警官がいなくなったことをいいことに、ストーク号の真下に来て、写真を撮ったり備品を盗もうとしているマニアが複数います。頼もしい人たちです。ま、半分以上は某国のスパイなのですが。
この上空にストーク号とヘロン号がこつ然と現れました。
ヘロン号のコックピットから見た牧草地です。牧草地に足跡が点々とついていて、その先頭に今新たな足跡が発生しました。それを見て橋本隊員はニヤッと笑いました。
「ふっ、四次元レーダーがなくっても、丸見えじゃんか!」
ヘロン号の砲塔からビームが発射されました。それが見えない何かに当たりました。ドバーン! うぎゃーっ! 大きな火花と悲鳴が発生しました。
今度はストーク号のコックピット。隊長の命令です。
「よし、パウダーを撒くぞ!」
寒川隊員が応えます。
「了解!」
ストーク号の腹のハッチが開き、棒に吊るされた球体が出てきました。穴だらけの球体です。その球体の穴から粉が出てきました。次から次へと粉が出てきます。大量の粉です。
マニアの1人にその粉が降ってきて、マニアは粉まみれになってしまいました。マニアは怒り心頭です。
「うわっーっ! な、何するんだよ~!」
あたりが急速に粉まみれになっていきます。すると粉の中から3つの巨大な人影が現れました。宇宙人A・B・Cです。3人の宇宙人はかなり煙たがってます。
「くそーっ!・・・」
ストーク号のコックピット。隊長は身を乗り出し、
「おおーっ、3人もいたのか!」
隊長は3人がまとってる甲冑に注目。
「ふっ、今日はあんなもので武装してるのか? ふふ、そんなもの、オレたちの前じゃ、屁のツッパリにもならんぞ!」
隊長は後部補助席の女神隊員を横目で見て、
「おい、行けるか?」
「もちろん!」
「よし、じゃ、真ん中のやつを頼む!」
「はい!」
女神隊員は5点式シートベルトを外し、立ち上がり、次の瞬間消滅しました。
と、宇宙人Bの前に巨大化した女神隊員が現れました。それを見てマニアたちが歓喜の声をあげました。
「うわーっ、ヘルメットレディだ!」
「は、初めて見た~!」
「オレ、ここに来てよかったよ~!」
甲冑の宇宙人Bは女神隊員を見てニヤっとしました。女神隊員の光線技と剣の攻撃は、甲冑が防いでくれるはず。宇宙人Bは心の中でこう言いました。
「ふ、姿はバレたが、この甲冑があれば絶対勝てる! よし、来い!」
が、女神隊員はレーザーガンを構えました。なんとレーザーガンも一緒に巨大化してたのです。宇宙人Bはフリーズしてしまいました。
「へっ?」




