前方の敵後方の敵 8
隊長は上溝隊員に質問。
「J1に女神隊員のデータは送ってあるのか?」
「はい。顔写真以外は送ってます」
隊長は苦笑して、
「ふふ、そっか」
隊長は女神隊員の単眼を思い浮かべ、心の中でつぶやきました。
「顔写真はちょっとまずいよな」
と、ここでオペレーションルームのコンソールが鳴りました。無線が入ったようです。上溝隊員は慌ててその無線に出ました。
「はい・・・」
上溝隊員は隊長を見ました。
「隊長、J1から連絡です。もうすぐ来ると言ってます!」
「ふっ、噂をすればなんとやら、か・・・」
テレストリアルガード基地外観。今1機の飛行機が滑走路に垂直着陸するところです。ストーク号によく似た機体ですが、カラーリングがまったく別です。この機種はスペースストーク号です。機体にはUNTG-STORK01の文字があります。
テレストリアルガード基地内の廊下、3人の男が歩いて来ます。3人ともテレストリアルガード作戦部門とそっくりなワンピースの隊員服を着てます。
両側の男は同じカラーリング。真ん中の男は2人より階級が上らしく、若干違うカラーリングになってます。
実はこの3人はスペースステーションJ1の隊員。真ん中を1つ抜け出して歩いてる中年の男は入谷隊長。後ろの若い2人は宮山隊員と番田隊員です。
3人は引き分けの自動ドアの前に立ち止まりました。すると自動ドアは自動的に開きました。そこはサブオペレーションルーム。女神隊員と海老名隊員以外のテレストリアルガード5人の隊員が待ち受けてました。5人ともかなり厳しい眼差しです。J1の3人もかなり怖い顔をして室内に入りました。入谷隊長が発言しました。
「お邪魔するよ」
宮山隊員は毒を吐き捨てるように言いました。
「おいおい、せっかく事前に来ると言っておいたのに、お茶も用意してないのか?」
それに橋本隊員が応えました。
「悪いなあ、こっちはこっちでろいろと忙しいんだ」
今度は香川隊長の質問。
「ふっ、なんの用だ?」
それに入谷隊長が応えました。
「用件は2つある。1つは今日午前中、地球に侵入した未確認飛行物体だ。どこに行った?」
「さあな、今行方不明だ」
「こいつはひどい職務怠慢だなぁ。宇宙からの侵略者を見張ってるはずのテレストリアルガードが、その侵略者をロストするなんて」
橋本隊員が言い返します。
「そりゃこっちのセリフだ。なんでJ1は未確認飛行物体の地球侵入を見過ごした? こっちだって大迷惑なんだよ!」
番田隊員が激しく反応します。
「その文句はエイリアンに言え! J1はスペースの都合で四次元レーダーの性能がそんなに高くないんだ。相手が認識ステルス機能を持っていたら、こっちはお手上げなんだよ!」
「ふっ、なんだよ、そりゃ。そんなものが言い訳になると思ってんのか!?」
番田隊員は喰ってかかりました。
「なんだとーっ!」
それを入谷隊長が片手で押さえました。
「おい、ここはテレストリアルガード作戦部門の本部だぞ。落ち着け!」
入谷隊長は香川隊長を見て、
「この件はお互いこれ以上触れない方がいいようだな」
再び香川隊長の質問です。
「で、もう1つの用件は?」
入谷隊長が応えました。
「女神隊員に会いたい」
香川隊長。
「女神? あは、なんで?」
「オレたちゃ今、世間様からひどい誤解を受けてるんだ。それを彼女に解いてもらいたいんだ!」




