前方の敵後方の敵 7
女神隊員は次に手元に置いておいたウィッグをかぶりました。これでいつもの女神隊員の姿となりました。
女神隊員は1つため息をつきました。それを見て上溝隊員は不思議に思いました。
「ん? どうしたの」
「いや、ちょっと嫌なことを思い出しちゃって・・・ 私がこの星にきたとき、うなじを集中攻撃されました。なんか、あれを思い出しちゃって・・・」
「あは、トラウマてやつね」
「あのとき私のうなじを撃ったのは橋本さんと倉見さんでした」
「今回あなたを助けたのは、橋本さんと倉見さんよ」
女神隊員は苦笑とも微笑みともとれる笑みを浮かべ、
「そうですね・・・」
正直女神隊員の脳裏にはずーっと橋本隊員と倉見隊員へのわだかまりがありましたが、この瞬間すべて消えたようです。
ここで上溝隊員が、
「あ、そうだ。隊長からの言付けよ。今日の午後は完全休養して、身体を回復させること」
女神隊員は微笑んで応えました。
「はい、わかりました」
ここはサブオペレーションルーム。今頭上の巨大なモニターにレーダースコープの映像が映し出されています。それを見ている隊長・橋本隊員・倉見隊員・寒川隊員・上溝隊員。まずは上溝隊員の説明から。
「午前10時12分、未確認飛行物体が大気圏内に侵入。これは四次元レーダーでのみ確認できました。
続いて午前10時18分、国籍不明機が大気圏内に突入。これはすべてのレーダーで確認してます。
10時26分国籍不明機は通常レーダーから消滅。四次元レーダーのみで映るようになりました」
寒川隊員。
「その時間、女神さんは見えない宇宙人と闘っていた」
隊長。
「うむ、状況的にこの国籍不明機が女神隊員を攻撃したな」
橋本隊員。
「認識ステルス機能がついた国籍不明機・・・ 今地球上にそんな機能がついた飛行機は日本とアメリカにしかないなあ・・・」
倉見隊員。
「今日本にある対象機はテレストリアルガード保有機のみ。身内がやったとしたら?・・・」
上溝隊員。
「あの状況で身内と言ったら、私しかいませんよね」
隊長は上溝隊員を見て、
「お前、ずーっとここにいたんだろ?」
「はい」
「ふっ、だいたいお前、ヘロン号は操縦できなかったよな。操縦できるストーク号は2機とも出払ってた。これじゃ攻撃は絶対不可能だな」
寒川隊員。
「となると、残るはアメリカの飛行機か別の侵略宇宙人か・・・」
隊長。
「いや、日本にもまだ認識ステルス機能がついた飛行機があるぞ。スペースステーションJ1の飛行機だ」
隊長のその言葉で、一同に緊張感が走りました。みんな、今回の事件の犯人はなんとなくJ1じゃないのかと思ってたのですが、隊長があらためてJ1の名前を口にしたので、妙な緊張感が走ったのです。
スペースステーションJ1はテレストリアルガード宇宙支部のようなところです。つまり、仲間。それが攻撃してきたなんて、とても信じられないのです。でも、他に該当者がいないのも確かでした。
橋本隊員が話を続けます。
「それなら宇宙からやってきたという理由もつくな。しかし、J1が女神隊員を攻撃する理由はないと思うが?・・・」
寒川隊員。
「もしや女神さんを侵略宇宙人と間違えて・・・ あのとき女神さんは巨大化してたし・・・」
倉見隊員。
「巨大化してたとはいえ、あいつはテレストリアルガードの隊員服を着てたし、オレたちにも攻撃してきた。それは絶対ありえないだろって」




